携帯電話検索サービス高利用者は三割超、公式・一般サイトの垣根が取り払われる日も近い?

2007年12月07日 06:30

モバイルイメージ【インプレス(9479)】グループのインプレスR&Dは12月5日、最新の携帯電話利用動向を詳細に解説した解説本『ケータイ白書2008』を発売したと発表した(定価6800円+税、336ページ、CD-ROM付)。そして書籍内に盛り込まれているデータの一部を公開している。それによると携帯電話を用いた検索サービスの利用率は7割を超え、ほとんど毎日利用している人も1割強に達していることが明らかになった。パソコン同様携帯電話でも、検索機能が日常茶飯事的に使われる日もそう遠い話ではないのかもしれない(【発表リリース】)。

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ケータイ白書2008イメージ今回発売された「ケータイ白書2008」ではiPhoneの影響や総務省の業界活性化プランなど携帯電話業界の将来像を予見させるような話はもちろん、個人の利用動向、企業の利用実態調査など、個人・法人を問わずさまざまなデータが網羅されている。

「ケータイ白書2008」に納められているデータの一部として今回公開された各種調査結果は、あくまでもダイジェスト的なものであるが、それでも非常に興味深いデータが盛り込まれている。特に気になるものをいくつか挙げてみると次のようになる。

2009年3月にはパケット定額制利用率は50%に

ダウンロードコンテンツやストリーミングなど多量のデータを活用するサイトを利用するには欠かせないパケット定額制。ゲームに夢中になっていたら月額利用料が10万円を超してしまった、という悲劇が起きる前に是非とも導入しておきたいもの。2007年9月時点で3090万件・30%超のパケット定額制契約数は今後も順調に増加を続け、2009年3月には5462万件と携帯電話市場の50%にまで達すると予想している。

携帯電話のサービスを提供する側も、「パケット定額制利用を前提」としたものを提供しやすくなる環境が整いつつあるということで、色々な「仕組み」を提供しやすくなるのだろう。

検索サービス、ほとんど毎日利用は12.2%

携帯電話上で検索サービスを利用する割合は72.8%。トップメニューにある公式の検索サイト利用者は62.5%に及び、公式サイトが誘導する検索サイトが多用されているのが分かる。

また、利用頻度は

・ほとんど毎日……12.2%
・週に4~5回……8.1%
・週に2~3回……14.3%


となり、比較的利用頻度の高い利用者は34.6%、三分の一以上を占める結果が出ている。

これまで公式サイトのメリットは「不特定多数が容易に到達しやすい」という点にあった。しかし今後さらに検索サイトの利用者、そしてイコール検索サイトを経由して公式サイトではない一般サイトにたどり着く利用者が増えるにつれて、公式サイトのメリットがあいまいになることが予想される。

■これまで
・公式サイト→各公式サイトトップメニューから
・一般サイト→QRコードやURLの直打ちで

■これから
・公式サイト→各公式サイトトップメニューから
・一般サイト→各公式サイトトップメニューから「検索サイト経由で」


「無料サンプル・お試しを使ったあと有料登録することが多い」は3割近く

有料コンテンツを利用した経験のある人は32%。現在も利用している有料コンテンツ数は「1個」が37.8%ともっとも多くなっている。ただし、「無料サンプルやお試し期間だけで満足することが多い」人は16.3%に過ぎないのに対し、「無料サンプルやお試し期間で魅力を感じ、有料登録することが多い」人は29.0%に達するなど、「お試し版の提供」が有益に作用していることが分かる。

もっとも3割近くの人が「お試し版を体験した後に有料登録する」としていながら「現在の有料コンテンツ数」が1個の人が4割近いのは、お試し版同様有料版も「つまみ食い」程度の利用で、短期間で脱会してしまう傾向があるのかもしれない。サービス提供側としては「有料版を末永く利用してもらえるような、見てくれだけでなくホンモノの満足感を継続して提供できる」作品を展開することが求められるだろう。


市場・個人・企業の3つの観点から、様々なデータを介して携帯電話市場を眺め見ることができる「ケータイ白書2008」。携帯電話を対象に何かを立ち上げようとしている企業や個人、現在すでに立ち上げているが今後さらなる展開を望んでいる人、そして研究をしている人には良い判断材料を提供してくれるだろう。

また今回取り上げられたデータで特に注目したいのは検索率の高さ。携帯電話向けサイトでもパソコン向け同様にSEOやSEMがこれまで以上に重要視されると共に、一般サイトと公式サイトの垣根が低くなり、競争はますます激化していくに違いない。それと共に、「携帯電話利用者の立場から見た、分かりやすい、操作しやすいサイト作り」が求められるに違いない。


(最終更新:2013/09/08)

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