計測史上最速のインフルエンザ流行宣言

2007年12月05日 06:30

インフルエンザイメージ先に【インフルエンザ流行拡大・北海道「警報レベル」に達する】でお伝えしたように今冬は例年以上にインフルエンザの発生が早く、大流行するきざしを見せていた。厚生労働省は12月4日、20年前に統計を取り始めて以来もっとも早く「インフルエンザが流行に入った」と正式発表した。12月4日に【国立感染症研究所】が発表した情報【11月19日から25日におけるインフルエンザ流行レベルマップ】などによると、北海道では先週同様に流行の度合が「警報レベル」(大きな流行の発生・継続が疑われる)に達しており、注意報レベルの県も増加していることが分かる。

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インフルエンザに関する定点観測においては今年に入ってから第42週以降増加が続いていた。11月19日から25日にあたる第47週における医療機関の平均患者報告数は1.53人(患者発生報告数は7162人、学級閉鎖などの処置を講じた教育機関は227施設)にのぼる。これは全国的な流行開始の指標である1.0を上回っており、これをもって厚生労働省側では今年度における「インフルエンザ流行」を宣言した。

2007年11月19~25日の週のインフルエンザ流行度
2007年11月19~25日の週のインフルエンザ流行度

今年は例年より一か月以上の速さでインフルエンザ患者の増加が始まっており、浸透スピードの速さが懸念されていた。【最新の定点観測データ(PDF)】によれば、警報レベルとなった北海道では12.6、その他にも岡山県では3.8、沖縄県3.3、兵庫県3.0など、医療機関平均患者数が増加している県が多い。

なお今年流行しているインフルエンザウィルスのタイプはAH1亜型(Aソ連型)と呼ばれる、これまで日本にはあまり入ってこなかったタイプのもので、ほとんどの人がウイルスに対する免疫がないとのこと。

今年のインフルエンザの流行スピードは1987年に統計を取り始めて以来もっとも早い「流行宣言」で、例年から比べても1か月強ほど早いとのこと。また、若年層(特に幼児)の患者割合が多いのも特徴の一つ。

過去10年間におけるインフルエンザの定点あたり報告数
過去10年間におけるインフルエンザの定点あたり報告数(【比較グラフデータページより】)。「▼」の直下は今年の最新データにおけるポイント。まだ絶対数が少ないが、今年は例年以上に早期・大規模な流行が予想される。

厚生労働省側では【インフルエンザ対策の専用ページ】を設け、予防接種を勧めると共に、感染しやすい場所での行動を差し控えることや、手洗い・うがいを心がけること、体力を十分につけて体のバランスを崩さないようにすることなどを呼びかけている。

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