イスラム投資家向け株価指数「シャリア指数」採用銘柄一覧公開開始
2007年12月04日 08:00
先に【東証が中東向け株価指数「S&P/TOPIX150シャリア指数」を開発、12月3日から配信】でお伝えしたように、東京証券取引所はグローバル・インデックス算出先大手のスタンダード&プアーズ(S&P)と共同でイスラム投資家向けの株価指数「S&P/TOPIXシャリア指数」を開発し、12月3日から算出・配信を開始した。その採用対象となる79銘柄が明らかになった。
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中東諸国では原油価格の高騰で利潤が拡大の一途を続け、その資金を「オイルマネー」と呼ばれるが如く各国に投資している。しかしイスラム諸国では、豚肉やアルコールを摂取したり利益を受け取ることが教義上できないため、このような事業を行なう企業への投資ができない。「広告・メディア、酒類、金融、ギャンブル、豚肉、ポルノ、タバコ、金銀取引」など不適合業態や、財務状況などをチェックした上で日本株の銘柄を選定して「S&P/TOPIXシャリア指数」を設定し、イスラム諸国の投資家が売買可能な銘柄の値動きの目安として提示。「オイルマネー」を呼び込もうと言う狙いがある。
東証の公式ページには「算出開始」とされた12月3日を過ぎても一向に関連銘柄のリストや数値そのものの姿が見受けられないが(【例:東証の株価指数一覧】)、スタンダード&プアーズ社の【株価指数一覧】ページにてその対応銘柄リストを見つけることが出来た。以下は対象銘柄のリストである。さすがに79銘柄すべてにリンクを貼るのは色々とアレなのでご勘弁願いたい(笑)
■1000番台
大和ハウス工業(1925)、積水ハウス(1928)
■200番台
ヤクルト本社(2267)、味の素(2802)、日清食品(2897)
■3000番台
帝人(3401)、東レ(3402)、クラレ(3405)、旭化成(3407)
■4000番台
住友化学(4005)、信越化学工業(4063)、JSR(4185)、三菱ケミカルHLDG(4188)、花王(4452)、武田薬品工業(4502)、アステラス製薬(4503)、エーザイ(4523)、大正製薬(4535)、テルモ(4543)、第一三共(4568)、ヤフー(4689)、富士フイルムホールディングス(4901)、コニカミノルタHLDG(4902)、資生堂(4911)
■5000番台
ブリヂストン(5108)、旭硝子(5201)、TOTO(5332)、日本碍子(5333)、新日本製鉄(5401)、住友金属工業(5405)、ジェイエフイーHLDG(5411)、住友金属鉱山(5713)、住友電気工業(5802)、フジクラ(5803)、東洋製罐(5901)、住生活グループ(5938)
■6000番台
豊田自動織機(6201)、SMC(6273)、コマツ(6301)、クボタ(6326)、ダイキン工業(6367)、日立製作所(6501)、三菱電機(6503)、松下電器産業(6752)、シャープ(6753)、ソニー(6758)、TDK(6762)、ヒロセ電機(6806)、アドバンテスト(6857)、キーエンス(6861)、デンソー(6902)、ファナック(6954)、ローム(6963)、京セラ(6971)、村田製作所(6981)、日東電工(6988)、松下電工(6991)
■7000番台
日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)、NOK(7240)、本田技研工業(7267)、スズキ(7269)
HOYA(7741)、キヤノン(7751)、リコー(7752)、大日本印刷(7912)、任天堂(7974)
■8000番台
東京エレクトロン(8035)、ユニ・チャーム(8113)、三菱地所(8802)
■9000番台
日本通運(9062)、ヤマト運輸(9064)、商船三井(9104)、日本電信電話(9432)、エヌ・ティ・ティ・ドコモ(9437)、東京瓦斯(9531)、エヌ・ティ・ティ・データ(9613)、セコム(9735)、ソフトバンク(9984)
主に教義の問題からか、特定証券番号群で大きな「抜け」があるのがお分かりいただけると思う(例えば金融関係がひしめき合う8000番台)。これが「シャリア指数」の大きな特徴の一つでもある。
これらの銘柄は当然のことながらイスラム教の教義を考えなくても良い人でも自由に売買できる(指数に連動するETFは現在見受けられないが、ニーズも高いしそのうちに登場することだろう)。「日経225採用銘柄は投資ファンドや企業年金が買うガイドラインとなるから、まとめ買いが入りやすいし信頼性も高い。だから投資対象としては他の銘柄より格が高くなる」という定説がある。「オイルマネー」が健在である限り、シャリア指数採用銘柄も似たような扱いを個人投資家から受けることだろう。
また、これらの銘柄は先のリリースにもあるように毎日適合性チェックが行なわれ、必要があれば差し替えなどが行なわれる。今後銘柄の入れ替えが行なわれることを前提に、見ておくとよいだろう。
■関連記事:
【オイルマネーの傾向・「オイルマネーが注目する銘柄」とは?】
(最終更新:2013/08/18)
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