LEDが白熱電球に取って代わる時代がやってくる? 光量を増幅させる技術を開発
2007年12月31日 12:00
【BBC NEWS】は12月28日、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)の問題点とされている「光量不足」について、解決する方法が見いだされそうであることを報じた。記事によれば「この技術によって、LEDが従来の電球に取って代わる可能性が高まった」と指摘している。
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LEDとは一定の法則に従って電圧を加えると発光する半導体素子のこと。寿命が通常の電球と比べるときわめて長く、安価で量産も容易、軽くて故障も少なく、軽量な製品が作れる。また、紫外線や赤外線を含まない光も簡単に作れるので、植物の育成や芸術品の照明などにも多用されている。
このように優れたところばかりに見えるLEDにも弱点がないわけではない。面を照らすには(現技術では)むらを生じることが多いこともあるが、何よりも問題視されていたのは「光量が小さいこと」。白熱電球や蛍光灯と比べると、大光量を生み出すのは難しかった。今回報じられたのは、その難点を解決しうるかも知れない技術とのこと。
元記事によればFaiz Rahman博士率いるイギリスのGlasgow大学の研究チームは、LEDに顕微鏡サイズの穴を無数に開けることで、LEDの光量を増加させることができるとしている。ちなみにこの技術はICチップなどに基盤をプリントする技術を応用している。
間もなく幕を閉じようと
しているのかもしれない。
(Faiz Rahman博士)
Faiz Rahman博士は今件について「現在は穴を開けるプロセスが非常にコスト高なため、一般家庭に導入できるほどの価格にまで下げることはできない。しかしながら(プリント基板の手法を用いることで)非常に高速に、しかも多分大変なコスト削減を図りながらLEDに穴を開け、光量の増したものを作り出せるのではないかと考えている」とコメントしている。そして「これがもし現実のものとなれば、現在の白熱電球の時代が間もなく終わることを意味している」とも説明している。
ただしまだ研究過程のこともあり、具体的にどの程度の穴を開ければどれだけ光量が増すのかなどについては言及していない。しかしながら「白熱電球に取って代わる」と表現しているだけあり、少なくとも現在のような「LEDは暗くてなぁ……」という不満をもらさざるを得ないようなことが無くなるだけのものはあるのだろう。
政府が温暖化対策の一環として、電力消費量の大きさやエネルギー効率の悪さから白熱電球の国内での製造や販売を数年以内に中止する方針を打ち出す見通しが報じられたのは先日の話([このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています])。日本でも今後爆発的にLEDの需要が高まることが予想され、さらに質の良いものへのニーズも高まることが容易に想像される。数日前にもナイトライド・セミコンダクターが従来の商品の光量の2倍近い出力を持つ紫外線LED「NS375P-5RLO」を発売したとの報もあったばかり(【eetimes.jp】)。
今記事の研究の確立と、正式な発表、さらには商品への反映に関する続報を待ちたいところだ。
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