同氏には【独自の公式サイト】があり、そこでも詳細が語られている。氏はアメリカのアイオワ州出身で現在は33歳。8歳の時に祖父がトランプ遊びをしている中途に気まぐれでカードを使って家を作るのを見て夢中になり、1992年の17歳の時にはすでに世界新記録である14フィート(4.26メートル)の高さのトランプタワーの作成に成功していた。

世界新記録となった25フィート(7.62メートル)のトランプタワー。

彼が続々とトランプで新しい建物を作り、記録を更新していくの伴い、ギネスブック側でもトランプタワーにおける「最大の建造物」の項目が新設されたほど。氏は現在でも自分の技術「トランプでビルやタワーを作る」を活かし、公開ショーでお金を稼いでいる。いわく、

とのこと。

Youtubeには氏自らのトランプタワー作成のプロモーション動画が掲載されている。動画で「建築中」のプロセスを見れば、どんなトリックも魔法も使っていないことが分かるはずだ。

気になるのが「トランプにちょうつがいやセロテープ、接着剤などを使って固定してるのでは?」という疑問。しかしこれに対する答えは「ノー」。その類のものは一切使わず、シンプルにカードを積み重ねているに過ぎない(強度を補強するための支柱も使っていない)。ただしこれにはコツ、というかBryan Berg氏独自のノウハウがある。氏の公式サイトやDailyMailの記事によれば、最初に建物の構造図を描き、世間一般にはハニカム構造といわれる蜂の巣構造をはじめとする幾何学的な形を積み重ね、さらにカードそのものの重量をたくみに構造強化に用いることにより、驚異的な強度を建物に持たせるているという。

今回の「世界新記録樹立」となった7.62メートルのタワーを建築した様子は【こちらのサイトに動画が掲載されている】。コマ送りで建造のプロセスが映し出されているが、専用の足場が作られ、本物のブロック構造で作られているビルを建築するかのような手法で作られていくのが手にとるように分かる。ここまで長けた技術を見せられると「本当に人類なのか」とすら思えてしまう。なおこのタワーの建造に用いられたトランプは約1800セット、かかった時間は5週間とのこと。

公式サイトでも説明されているが、氏は自分のトランプ建造物建設のノウハウを本にまとめ『Stacking the Deck: Secrets of the World's Master Card Architect』という本を出版している。もちろん全部英語で記述されているが、興味と英語力のある人はチェックしてみてもよいだろう。

(c)Bryan Berg, Cardstacker. All Rights Reserved.

(最終更新:2013/09/08)