小学生 ケータイ保有は 3割強 大人と同じ 機種は6割

2007年12月27日 08:00

モバイルイメージgoo リサーチは12月25日、小学生を対象にした携帯電話に関する調査結果を発表した。それによると、小学生全体で自分専用の携帯電話を保有している割合は3割を超えていることが明らかになった。また保有者が持つ携帯電話の機種について、子ども向けの携帯(いわゆる「キッヅケータイ」など)を使っている子どもは3割強で、6割は大人と同じ通常の機種の携帯電話を用いているとの結果が出ている。小学生の間にも携帯電話が相当量浸透し、「欠かせない」ものとなりつつあることがうかがい知れる調査結果といえよう(【発表リリース】)。

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今調査はインターネット上の調査コーナー「キッズgooリサーチ」で11月9日から26日にかけて小学生を対象に行なわれ、有効回答数は1100人。男女比は2対3で年齢(学年)階層比は6年生が34.9%、5年生が28.9%、4年生が20.0%、3年生が7.7%、2年生が4.8%、1年生が3.7%。インターネット上で答えているということから、小学生全体ではなく、少なからずIT系のスキルを持ち、触れる機会を有する小学生を対象にしているということを考慮に入れる必要がある。

自分専用の携帯電話保有率は34.4%

携帯電話の保有についてたずねたところ、「自分専用の機種を持っている」という人は3割強にのぼっていた。

携帯電話の保有・利用状況
携帯電話の保有・利用状況
携帯電話の保有・利用状況(学年階層別)
携帯電話の保有・利用状況(学年階層別)

各学年の中では年長の6年生が、もっとも自分専用のを使っているという割合が多く、4割をしめている。クラスに30人生徒がいれば、そのうち12人は「自分のケータイ持ってるヨ」と答えるわけだ。

一方で、なぜ3年生が「自分専用機」の割合が一番少ないのか、色々な手法をあわせた「とにかく携帯電話を使っている」と答えたのが6年生ではなく1年生なのかは不明。一つの可能性として「携帯電話が日々普及し、『小学校に入学した時点(1年生)で携帯電話を持たせる・使わせる』ようにする割合」が毎年増加していることと、「学年が上がったら携帯電話を使わせても良いと親が判断する」割合を足し、その両者が一番少ないのが「現在の2年生~4年生」にあたる、という推論ができる。

この推論が正しいかどうかは、今回の調査結果からだけでは分からないが、「入学と共に携帯電話を持たせる」「学年が上がったら持たせる」の2通りのパターンで「小学生に携帯電話を持たせる」場合があることを考慮しておく必要があるだろう。

もっとも別の項目では「3年生をきっかけに親から携帯電話の利用・保有許可を受ける割合が急増する」という結果も出ている。「学年が上がったら携帯電話を使わせても良いと親が判断する」の割合が3~5年生がもっとも多いことも、この推論を裏付ける一つの事由にはなるだろう。

きっかけは「大人のすすめ」

携帯電話を持つ事はさまざまなメリットと共にデメリットも多く、責任を背負うことにもなる。いわば「大人の階段」を一つ登るきっかけにもなる携帯電話の保有というひとつのイベントについて、そのきっかけは「親から持つように言われた」がもっとも多いと調査結果では出ている。

■携帯電話を持ちはじめた一番のきっかけ

・親に「ほしい」と言って買ってもらった……32.3%
・親から持つように言われた……43.4%
・学校や塾から持つように言われた……13.1%
・その他(親のお古など)……11.3%


親から持つようにといわれて持つようになった子どもが半数近くの4割強を占める。学校や塾からのすすめをあわせると、5割後半。子ども自らが「ほしい」とせがんで手に入れた3割の2倍近い。主に防犯用、連絡用としてだろうが、大人の事情で子どもに携帯電話を持たせる状況が意外に多いことが分かる。

これが例えばゲーム機やおもちゃなら、大人がすすんで持たせるような回答はほとんどないだろう。通信やGPSなど機能を併せ持つ、コミュニケーションツール・統合情報機器としての携帯電話の特性が、この結果にも現れている。

小学生のケータイの世界でも女の子の方が「おしゃべり」

ゲーム機と違い音声通話以外に、インターネットサイトへのアクセスや電子メール、掲示板などウェブサービスの活用など多種多様な使い方が出来る携帯電話。小学生たちは主にどのような使い方をしているのだろうか。結論から述べると「親や家族との電話」がもっとも多いという結果が出た。

携帯電話の使い方(全体、男女別)
携帯電話の使い方(全体、男女別)

これは「親が持たせる」場合が多い小学生を対象にしたことが原因。親、あるいは学校側では子どもに携帯電話を持たせて必要時に連絡を入れ、子どもの安否を確認する。そして出来ればメールよりも、肉声を聞きたいのが親の心情というものだ。その利用目的がメインで持たせている場合が過半数を占めている以上、使い方でもこれらの選択肢が上位にくるのは当然といえる。

一方、掲示板やチャット、その他の機能を用いている場合はさほど多くない(親から止められているのかもしれない)。一方で、親や家族と同様に、友達と電話をしたりメールをする子どもはかなり多い。そしていずれの場合でも、男の子より女の子の方が利用頻度が高い(それぞれ2倍前後)であるのが分かる。

先に【「自分専用の携帯電話を持ったのは中学生時代」が半数以上のケータイ事情】で女子高生にとって携帯電話は「新世代のおしゃべりツールであり、おしゃべりを呼吸のように行なう彼女達にとっては必要不可欠なアイテム」であると記しているが、その傾向は何も高校生に限らず小学生にまで浸透しているようだ。


調査結果では最後に「携帯電話とは自分にとってどのような存在か」とたずねており、それには全体で39.7%、女の子に限ると43.7%もの子どもが、「絶対ないとこまる!もの」と回答している。選択肢が他に「できればあったらいいもの」「なくても平気なもの」「その他」というのが多少恣意的な気もするが、携帯電話の浸透度が高まると共に、その便利さ・面白さを知った小学生たちが、中学生や高校生、そして大人たちと同様にとりこになっているようすがうかがえる。

携帯電話が高機能化するにつれ、「携帯電話を持たせる」が「親と連絡が取れる」「居場所が分かる」だけでなく、「インターネットにつなげる」「電子メールができる」「色々なサイトにアクセスできる」「デジタルカメラを使える」「お財布機能が利用できる」「音楽を聴ける」など、さまざまな機能を(半ば)フリーハンドで子どもに与えることになる。

「遊びの開拓」に長けた子どものことだから、親が想定もしないような使い方をすることもでてくるだろう。分別のつく高校生などならともかく、それらの機能に振り回されかねない小学生にはしっかりとルールを説くなり、子ども向けケータイを与えるなどの「大人の配慮」が求められるに違いない。


■関連記事:
【「子供向け携帯電話」は全体で16%・小学生では6割が利用】
【携帯への賛否両論・子どもに携帯を持たせる理由、持たせない理由】
【小学校高学年でも携帯電話は4人に1人が持っている】


(最終更新:2013/08/18)

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