女子高生 ケータイ利用は 一日2時間 寝る間も惜しんで メールで やりとり

2007年12月19日 06:30

モバイルイメージ内閣府は12月17日、第五回目となる「情報化社会と青少年に関する意識調査」の調査報告書を公式サイト上に公開した。一部データはすでに7月の段階で公開されていたが(【宿題もインターネットで調べる時代・ネット利用小学生の7割が「宿題はネットで」】)、今回はその全容が明らかになった。現代における、携帯電話やインターネットなどのメディアと青少年の係わり合いが把握できる、貴重なデータとして注目されている(【発表ページ】)。

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今調査は1981年からほぼ5年ごとに行なわれているもので、前回は2001年に実施された。2007年3月9日から30日までの間、調査員による個別面接聴取法によって行なわれたもので、青少年は10歳から29歳までの男女2468人(17歳までで1191人、18歳から29歳までで1277人)から回答を得られている。ちなみに小学生は319人、中学生は451人、高校生は396人。保護者調査については10歳から17歳に対して行われた調査の保護者に向けて行なわれ、1145人から回答を得られている。

年齢層によっては人数が少ない区分もあり、場合によっては現状と多少のぶれが生じている可能性を考慮する必要がある。また、今回公開されたデータは主に小中高校生を対象にした結果である。

各データについての分析や、これまでの他の情報とつき合わせての分析などは後ほど機会があれば行うことにして、ここでは概要や特に目立った結果を一まとめにして箇条書きにしてみる。以下はすべて特記無い限り小中高校生に関するデータである。

情報メディアの利用時間
・テレビ、ゲーム、漫画の順。新聞はほとんど読まれていない。
・ゲームや漫画は女子より男子の方が長時間利用している。
・男子高校生は2時間58分、女子高校生は2時間54分毎日テレビを見ている。ゲームはそれぞれ1時間6分・26分。女子高生は男子と比べるとあまりゲームをしていない。
・小学生から中学生、高校生になると少しずつテレビや本、新聞を見る・読む時間が増え、ゲームをする時間が減る。
・一日に携帯電話でネットをする時間は男子高校生が「一日につき」1時間32分、女子高校生が2時間4分。パソコンでネットをする人は男子高校生が一日1時間9分、女子高校生が1時間13分。携帯もパソコンも、男子高校生より女子の方が時間が長い。携帯電話に限れば、小中学生でも女子の方が利用時間が長い。

5年前との変化(青少年全体)
・情報サイトを見たりメールを利用する回数が増えている。サイト利用は2倍強、メールは5割強増し。
・新聞やテレビのニュースの視聴時間は二極化。読まない・見ない人が増える一方で、長時間見る人も増えている。

世の中の出来事への考え方に対する影響力の対象
・テレビの影響力が大きい(小中高すべてで8割前後が「強い影響」)
・インターネット上の情報や友達の意見は年を経るにつれて影響力を増している。

小中高校生の携帯電話の利用状況
・メールをおしゃべりのように使うため頻度が高い(小中学生の3割以上が20回を超える、51回以上は女子高校生で13.5%)。
・情報サイトを閲覧する中高生の1割から2割は毎日11回以上閲覧する。
・情報サイトで見る対象はウェブサイトやブログの他、友人の掲示板、自分のブログ、日記の更新など。

携帯電話の利用による影響
・プラスは「友達との意思疎通」「生活の楽しさ、面白さ」。マイナスは「睡眠時間」「学習時間」
・保護者は「安心感が増えた」と思う一方で、「通信料金が高い」「勉強時間が減った」と愚痴をこぼす(一か月あたりの子どもの携帯電話利用料金について、1万円以上と回答した女子高生の保護者は17.6%、男子高生でも10.6%にのぼる)。

携帯電話やネットの問題点
・チェーンメール、迷惑メール、中傷やいやがらせの経験者が多い一方、それらの相談を受けた保護者は少ない(相談を受けたことがないと回答した保護者……男子高生は83.8%、女子高生は74.3%)
・利用料金以外の使用上のルールを設けている保護者は少ない。
・フィルタリングサービスに対する考え方はばらばら。親が判断が38%を占めるが、親子で相談が20%、自分で判断が14%など。
・ネット上の礼儀やマナーに対する意識は全般的に低い。


それぞれを詳細に分析したらそれだけて半年はかかりそうなデータだが(笑)、ざっと概要をまとめてみただけでも、昨今の子どもたちを取り巻く携帯電話やインターネットの状況や対応がある程度把握できる。

特に注目すべきなのは、携帯電話やインターネット、特に携帯電話が子どもの生活に深く浸透し、勉強時間や睡眠時間を割いてでも時間を費やしたいと思わせるほどの魅力を感じさせていること。携帯電話はとりわけ女の子にとっては魔法のアイテムのごとく見えるようで、非常にお気に入りの一品であることが分かる。

マスコミに先行してリリースが流れた16日には新聞やテレビで報じられたので目にした人も多いだろうが、パソコンも携帯電話も使いこなす女子高生の場合、平均で一日「携帯2時間4分、パソコンでネット1時間13分」も費やしていることになる。休日・平日をならしているとはいえ、「学校に行っている時間もあるだろうに、いつ勉強するんだよ」とツッコミを入れたくもなる……と思ったら案の定、例えば女子高生の場合24.1%が家では勉強しないと回答している。

最近ではデジカメやおサイフケータイなどの機能も加わり高性能化する携帯電話。パソコンのインターネットでもさまざまなサイトが登場しサービスを提供している。そしてこれだけ子どもの中に浸透しているにも関わらず、学校教育の中ではわずかにパソコンに関する授業(しかも主に「操作の仕方」)が行なわれているばかりで、携帯電話への注意などはほとんど学ぶ機会がないのが実情。

携帯電話やインターネットの利用は自動車の運転のように免許制(利用の際の必要事項を学んでからでないと使えないという意味)を導入しているわけではない。ならば、せめて義務教育課程で「利用の際に最低限知っておくべきこと、守るべきルール、気をつけねばならないこと」は学ばせるべきではないだろうか。

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