【更新】貯蓄額 1000万以下過半数 貯蓄ナシは わずか2%
2007年12月01日 12:00
C-NEWSは11月30日、預貯金を含む金融商品や関連する情報収集の調査結果について、その一部を公開した。それによると株式などの有価証券を含めた貯蓄額では1000万円未満の人が過半数を占めていることが明らかになった。一方で「貯蓄はしていない」と回答した人は2%に過ぎなかった([発表ページ])。
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今調査は11月17日に世帯年収500万円以上の25歳以上のネットユーザーに対して行なわれたもので、有効回答数は1000名分。男女比は1対1。年齢階層比は39歳以下・40代・50代・60歳以上がそれぞれ均等割。年齢階層がやや高齢なことに留意する必要がある。
●貯蓄額は1000万円未満が過半数、「5000万円以上」は8%
世帯全体の貯蓄額についてたずねたところ、過半数の人が「1000万円未満」と答えている。
全体及び年齢階層別の貯蓄額
この「貯蓄額」には預貯金以外に有価証券、保険の掛け金などの金融商品も含まれる。だから「貯蓄額」というよりは「金融商品上の資産額」と表現した方が適切かもしれない。
年齢階層別に見ると年代が上がるほど、高額の貯蓄をしている人が多いのが分かる。「500万円未満」の層が確実に減っているし、高額の層が歳を経るごとに増えているのが分かる。特に50代以降になると貯蓄額が急増しているが、これは主に年金や退職金によるものだろう。
また、「世帯年収500万円」というデータ上の特性も関係しているのだろうが、どの年代でも「貯蓄はしていない」という回答が2~3%に留まっているのも注目に値する。ほとんどの人がそれなりに貯蓄を考え、実践しているわけだ。
●世帯収入が増えると貯蓄額は累乗的に増加する
今度は年齢階層別ではなく、世帯年収別に貯蓄額を問い合わせた結果。考えてみれば当然の結果なのだが、年収が高い方が貯蓄額も多いという結果が出ている。
全体及び世帯収入別貯蓄額
表上に「貯蓄1000万円未満と以上の境界線」を引いてみた。年収の増加と共に貯蓄1000万円の層が減少するようすが、ラインの傾斜からもお分かりいただけると思う。また、特に年収1000万円を超えたあたりで「貯蓄が1000万円以上」の層が急増していることから、この年収層以上になると貯蓄へ回すお金の増加率が高まることが推測できる。
元データでは他にも「預貯金と金融商品では預貯金の方が多い人は65%におよぶ」「貯蓄額で国債や外貨預金の保有率に大きな違いがある」など、興味深いデータが掲載されているとのこと(詳細は一般公開されていない)。
世帯年収500万円以上に限定したデータではあるが、預貯金も含めた金融商品を保有していない人(貯蓄をしていない人)はほとんどいないことが分かる。「世帯年収が500万円とはどれくらいの層に位置するのか」という疑問がわいてくるが、【厚生労働省発表の2006年 国民生活基礎調査の概要】によれば、平均年収は563.8万円・中央値は458万円・平均所得額以下の層は60.7%であることから、大体「平均かそれ以上」と見て良いだろう。
500万円未満の層では果たしてどのような結果が出るのか。年収の増加と共に貯蓄額が増加している傾向があることから逆算すれば、「貯蓄は無い」と回答する層は増えると思われる。しかし国債や株式などの「投資的要素の強い金融商品」はともかく、預貯金率は逆に高い可能性もある。機会があれば独自調査をしてみることにしよう※。
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