投資指数は過去最低水準を記録…野村證券(8604)、2007年11月計測分の個人投資家動向を発表

2007年12月06日 08:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は12月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2007年12月発表分、PDF】)。取引をひかえる動きが加速し、「待ち」の姿勢を見せる投資家の姿が多く見受けられるのが印象的である。

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今調査は1000件を対象に11月21日から22日に行われたもので、男女比は68.8対31.2。年齢層は40歳代がもっとも多く32.4%、ついで30歳代が28.5%、50歳代が20.4%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く24.4%、ついで200万円未満が23.3%、200万円~500万円が19.4%と続いている。

1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く24.7%を占めている。次いで1年から2年未満が19.8%、6か月から1年未満が16.0%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く48.8%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が24.7%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は過去最低水準を記録。
・株式取引では回数を減らす動きが進む。今後の見通しも減退的。
・国内景気や企業収益以外の要因においてマイナスととらえる見方が増えた。
・魅力的な業種は「医薬品・ヘルスケア」がトップ。
・「原油、資源価格動向」「サブプライム問題」「為替」などマイナスと思われる要因が多い。


という形に。投資家各個が、夏の大急落以降市場の不安定さを演出しているサブプライム問題をはじめ、経済と株式相場へのマイナス要因を十分認識し、投資行動そのものに及び腰となりつつあるようだ。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月から引き続き第四位まで変化がなく、第五位に[武田薬品工業(4502)]が再びトップ5内にランクインしている。下値安定感のあるディフェンシブ的な銘柄が比較的選ばれやすいということだろうか。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[任天堂(7974)]
3位……[ソフトバンク(9984)]
4位……【東京電力(9501)】
5位……[武田薬品工業(4502)]


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。上位に位置する銘柄であろうと得票差にはさほど違いがなく、誤差の範囲で順位が変動する可能性はある。が、トップの[トヨタ自動車(7203)]と第二位の[任天堂(7974)]は相変わらず株価自身が青天井であっても二位以下に倍以上の差をつけてその座を維持しており、「何はともかくまずトヨタ」「世界に冠たる任天堂」と考える人が多いことがうかがえる。この傾向はここ数か月変わるところがなく、同社の知名度・人気度の高さが分かる。当アンケートが比較的投資経験が長く、投資に関して重視する点で「安定した利益成長」を挙げている人が多いこともその理由の一つだろう。

8月の「サブプライムローン急落」からほころびを見せ始めた世界株式市場だが、商品市場や為替市場とのにらみ合いを続けながら、不安定な相場展開を続けている。エネルギーそのものは決して不足していないが、方向感に乏しく、ちょっとした噂やイベントで大きく値が触れる、先の読みにくい迷走的な状況にあることは否定できない。サブプライムローン問題をはじめ大きな金融問題が半ダース単位でくすぶっている以上、今しばらくはこのような「不安定な時代」が続くのだろう。

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