電車内で高齢者などに「たいてい席をゆずる」は7割近く
2007年12月17日 06:30
iMiリサーチバンクが12月11日に発表した調査結果によると、電車内において高齢者や体の不自由な人が自分の座席のそばに立っていた場合、7割近くの人が「たいていは席を譲ると思う」と回答していたことが明らかになった。電車の席に関するマナーはさまざまな意見があるが、「席を譲るべき相手には譲る」という考えが支配的なようだ。その一方で譲らない場合の理由については「恥ずかしいから」「逆に失礼だから」が過半数を超えており、自分自身の小心さと相手への配慮が交錯しているようすがうかがえる(【発表ページ】)。
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今調査は12月4日から7日、沖縄をのぞく全国でインターネット経由にて行なわれたもので、対象者年齢層は12~60歳。有効回答件数は1228。年齢階層比や男女比は未公開。
ほとんどの電車には優先席が用意されている。自分自身が「優先される」状況は別にして、その優先席が空いていた場合に座るかどうかについてたずねたところ、「電車内がすいている時には座る」と答えた人が過半数を超えていた。
電車内で優先席が空いていた場合に座るかどうか
電車内の混雑の度合に関わらず「空いていれば座る」と回答した人は1割強。これを多いと見るべきか少ないと判断すべきかは微妙なところだが、ともあれ「優先される」人たちがスムースに座れるよう、多くの人が「座らない」「電車内がすいていて他の席にも余裕で座れる場合には座るかもしれない」と回答しており、何となくほっとさせられる。
では電車内の席が全部埋まっていて、自分も座っている状況にあるとする(自分自身が体調不良で「優先されるべき」状況にある場合はのぞく)。自分のそばに高齢者など「優先されるべき」人が立っていたらどうするだろうか。7割近くの人が「たいてい席をゆずると思う」と回答した。
自分が座っているそばに高齢者など「優先されるべき」人が立っていたら?
「ほとんどゆずる」が67.3%、「たまに」が29.0%で、「ほとんどゆずらない」は3.7%に過ぎなかった。実際にはその場その場での状況によって回答も大きくぶれてくるのだろうが、一般論として「ゆずる」と回答する人が多数を占めている。
では「たまにゆずる」「ほとんどゆずらない」人に、なぜゆずらない(場合がある)のか、その理由をたずねてみた。「自分が座っていたから」という回答がどれくらいなのか気になるところだったが、そのような回答をしたのは2割強に過ぎなかった。
席をゆずらない理由は?
過半数を超えた回答は「言い出すのが恥ずかしいから」と「逆に失礼かと思うから」の2つ。自分自身の小心さから来る場合と、逆に相手のことを思うあまりの結果である場合が多数を占めている。相手がどのように判断するかはまた別だが、後者についてもまた「席をゆずる」のと同じくらいの「思いやり」なのだろう(少なくとも回答者本人はそう判断している)。
「自分が座っていたいから」「他人がゆずるだろうから」という、自己中心的あるいは他人任せな回答が少数派だったのは幸いというべきか。
アンケート上では「席をゆずる」「ゆずらないにしても相手を思っての結果」という答えが多数を占めている。しかし実際そのような状況におかれた場合、よほど慣れている人でないとなかなか席をゆずるのは難しいもの。
小恥ずかしかったり、相手に無視されたり、あるいは遠慮されてしまった場合、気まずい雰囲気が周囲を支配するのではないかと考えてしまう。「どのみち相手も知らない人だし、この場をやり過ごしてしまえば、また会うこともないだろう……」と、気が付かないふり・寝たふりをしてしまうこともあるに違いない。さらに「不用意に見知らぬ人との接触でトラブルの危険性を増やすのはかんべん」という考えの人も多いことだろう。
とはいえ、「人の振り見て我が振り直せ」の言葉通り、一歩引いて自分自身ではなく身近にいる他人がしている様子を見ると、我が身のことを考え直すに違いない。今データ・分析結果も「自分以外の行動」という観点では似たようなもの。思い当たるふしがある人は、もう一度日頃の電車内での行動について、考え直して見てはいかがだろうか。
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