「5年後のゲーム機市場は現在の16%にまで縮小」野村総研が予想
2007年12月19日 06:30
野村総合研究所は12月17日、2012年までにおける日本国内の主要IT市場5分野における分析の第一弾を発表した。それによると2012年には家庭用据え置き型ゲーム機における市場が現行の約16%にあたる580万台にまで縮小すると同研究所では予測していることが明らかになった(【発表リリース】)。
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今回発表分の調査結果では、ブロードバンド市場やハード市場の市場規模予測が公開されている。光ファイバー回線は5年後には2000万契約に迫り、市場規模も8697億円と1兆円も間近なレベルに達するなど、インターネットの世界ではさらにブロードバンド化が推し進められると予想されている。
市場規模予測
その他にも携帯電話の成長は続くがその成長率は緩やかなものであるとか、ロボット市場が(絶対額こそ小さいものの)5年後には6.1倍にまでふくれあがるなど、IT化が進むであろうことが数字から見て取れる。
5年後に1/6にまで縮小。
次世代機が登場すれば
活性化する可能性も。
気になるのは「ゲーム機」の部分。単位は「千台」だが、2007年度には3622万台だった市場が5年後の2012年度には580万台まで縮小するとの予想が立てられている。率にして約1/6、約16%に過ぎない。注意書きには「第3世代と第4世代の家庭用据置型ゲーム機市場のみを指し、携帯型ゲーム機およびゲームソフトは対象外とする」とある。今公開データでは携帯ゲーム機やゲームソフトに関するデータは公開されていない。公開された上でそれらをまとめて再検討する必要があるが、それを差し引いても驚きの数字といわざるを得ない。
もっとも第3世代は「GC・PS2・Xbox」、第4世代は「Wii・PS3・Xbox360」を示している。仮に2012年までに次の世代機である第5世代機が登場すれば、この縮小は抑えられ、市場も活性化するとレポートでは分析している(逆にいうと今から「次世代機頼り」の市場と読み取ることもできる)。
今回公開されたデータの中では、「携帯電話端末」の項目がある程度「(家庭用据置型)ゲーム機」のシェアを侵食しているものと思われる。とはいえ、携帯電話の伸び率は5年間で23%の伸びと推測されているので、「1/6までに減少」への影響はあまり無いだろう。
単にゲームに関するニーズが「据え置き型」から「携帯型」や「携帯電話」、あるいは他のデジタル機器にスライドすると予想しているのか、それとも「ハードが飛ぶように売れる時代は過ぎ、ソフトのダウンロード供給が推し進められる」という観点なのか。今後続報として発表される他ジャンルの情報に注目すると共に、当方でも機会を見て分析することにしたい。
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