【更新】国産ステルス実証実験機「心神」が2011年度中にも初飛行へ

2007年12月10日 06:30

ステルス高運動形状の電波反射特性RCS(Radar Cross Section)実証模型機イメージ[読売新聞]が伝えるところによると、技術検証を目的に国産ステルス戦闘機として開発中の「先進技術実証機・心神(しんしん)」の実証実験機が来年度から開発に着手され、早ければ2011年度中にも初飛行が行なわれることが明らかになった。

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心神イメージ「心神」は以前から(【次期主力戦闘機の構想モデルなどが展示、技術研究本部発表会開催】)名前とその形状が伝えられている、国産の戦闘機。ステルス高運動形状の電波反射特性RCS(Radar Cross Section)を持ち、エンジンの特殊な制御法や飛行制御を統合して高機動飛行制御の技術を確立し、形状などからレーダーに映りにくいステルス性も有する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れるとのこと。またエンジンは国産のものを使用する。

元記事によれば実証実験機のサイズは全長14メートル・全幅9メートル。来年度から6年間で開発が行なわれ、来年度1年間で157億円・総額466億円の予算を投入する計画。エンジン・電子機器部分の試作は2009年度までに終えて、2010年度からは実証機の製造に着手、2011年度中には完成させて初飛行との計画。【「ガンダム」以外の防衛省の秘密兵器たち】でも実際に利用された模型を紹介したが、機体構造とステルス性についてはすでに模型実験を進めており、2005年にはフランスで風洞実験を実施。高い性能が確認できたという。

心神の開発については、一朝一夕には不可能な航空機開発技術の維持と蓄積という側面がある。一方、「本気で」航空自衛隊の次世代戦闘機としての開発を目指すのと共に、そのように見せて「独自開発も出来るから別にわざわざ他国から高性能の(ステルス)戦闘機を買う必要もない」という姿勢を内外に見せて、実際に外国機を購入する際の駆け引きの材料として使う(いわば「当て馬」)的な側面も併せ持っている。

一部に「実用化するあても薄いのに多額の費用を使うのは無駄使いだ」という批判もある。しかし技術の維持と蓄積はいくらお金を積んでも得ることは出来ないし、結果的にブラフの効果が十分に発揮できたのなら、それこそ1000億円単位の費用がかかっても安いものといえる。

もちろん実際に「心神」が航空自衛隊の次期主力戦闘機の肩書きを持てるほどの高性能を発揮し、政治的な問題もクリアした上で導入されれば、それが一番なのだろうけれども。

(最終更新:2013/08/18)

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