冬物の伸びが顕著…2007年11月度のチェーンストアの売上高、前年同月比-0.4%
2007年12月28日 06:30
【日本チェーンストア協会】は12月25日、チェーンストア(スーパーやデパートなど)の2007年11月度における販売統計速報を発表した。それによると後半期には寒さが本格的に到来し冬物の伸びが顕著になったが前半の遅れを取り戻すにはいたらず、店舗調整後の総販売額は前年同月比で0.4%のマイナスを記録した。先月同様天候に振り回される結果となったようだ。(【発表リリース】)。
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今調査結果は協会加入の79社・8790店舗に対して行われている。店舗数は先月比で46店舗増、前年同月比で40店舗減。売り場面積は先月同様に増加しており前年同月比101.9%と1.9%ほど増えている。
店舗面積は増えているものの売り場1平方メートルあたりの売上高は前年同月比で98.6%と先月同様に前年同月比でマイナス状態が続いており、一方で従業員数は101.0%と増加している。これだけを見ると先月と同じく採算性は悪化しているようである。
以上のような状況は今月を含めて四か月ほどの間続いており、チェーンストアをとりまく環境が以前として厳しいままであること、人件費が経費削減の槍玉に挙げられている可能性が高いことがうかがえる。売り場面積が増えてもそれ以上に面積単位の売上高が減っている、というよりはむしろ「面積を拡大しても売上の増加には結びついていない」というのが実情だろう。
集約化による効率向上と顧客サポートサービスの拡充(従業員の増加)で客足を増やし単価を上げようと努めてはいるが、成果は現れていないようだ。この数字が何らかの形で反転し、改善が見受けられない限り、チェーンストア全体の不調は続くのかもしれない。
分野別では前年同月比でそれぞれ次のような値が出ている。ちなみに数字はすべて店舗調整後(1年前のと比較するため、昨年存在しなかった店舗の分を除いた値)によるもの。
■総販売額……1兆1455億9057万円
・食料品部門……構成比:59.5%(前年同月比100.4%、△0.4%)
・衣料品部門……構成比:13.8%(前年同月比98.9%、▲1.1%)
・住関品部門……構成比:20.4%(前年同月比97.7%、▲2.3%)
・サービス部門…構成比:0.4%(前年同月比93.9%、▲6.1%)
・その他…………構成比:6.0%(前年同月比100.2%、△0.2%)
取り戻すにはいたらず。
住関品の売上低下も
先月同様。
11月は後半に入ってから寒さが厳しくなり、これが冬物衣料品の売上を押し上げる形となった。特にマフラーや手袋など、気軽に暖をとれる商品が売れている。また、平年と比べて降水量が少なく、外出する機会には恵まれているはずなのだが、売上の大幅回復までには至らなかった。
また先月よりはやや回復が見られるものの、住関品の下げもキツいものがある。大きな下げを見せている。特に「家具・インテリア」(▲3.1%)「家電商品」(▲1.9%)の下げが厳しい。それぞれの具体的商品名を見てみると、前者は「コタツ」「インテリア家具」「組み立てボックス」が不調、後者は「冷蔵庫」「石油暖房」「電化調理器具」が不調と説明されている。「テレビ」「エアコン」「洗濯機」などが堅調なのは幸いだが、やはり引越しや新居を建てた時にまとめて注文することが多い商品が伸び悩んでいるのが気になるところ(ちなみに「その他商品」の下げがもっともきつく▲5.3%をつけているが、これは園芸用品の不調が原因とのこと。先月比ではなく前年同月比だから、「寒いから外に出なくなった」というのは理由にならないし……)。
住宅着工の減少が
引き続き
住関品売上の
大幅減少に
関与している可能性。
今しばらくは低迷続く?
【改正建築基準法で影響を受ける周辺業界たち】でも説明したように、建築基準法の改正による行政側の不手際で、新築住宅の建築のペースは大幅にダウンしている。この影響がチェーンストア業界における、特に住関品関連の売上を押し下げている可能性は高い。
運用上での柔軟姿勢や審査員の増強などで対応が見られるが、それが効果を見せているような数字はまだ見られない。住関品関連の売上、しいてはチェーンストア全体の不調もしばらく続くのだろう。
(最終更新:2013/08/18)
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