10年後に有望な企業進出先は「インド」がトップ

2007年12月10日 06:30

インドイメージ国際協力銀行は11月30日、製造業企業に対して行なった「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に関するアンケート調査の結果を発表した。それによると、今後10年後に事業の展開先としてもっとも有望だと考えている国は、これまでの中国からインドが取って代わったことが明らかになった(【発表リリース】)。

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国際協力銀行とは1999年に日本輸出入銀行と海外経済協力基金が統合されて作られた、政府出資の銀行。2008年にはさらに組織改編が行なわれる予定。主に民間の海外進出の手助けを金融の面から行なうことを主業務としている。

今回の調査は2007年7月から8月にかけて行なわれ、対象企業970社に対し600社から回答を得て分析が行なわれた。それによると、海外の生産・売上とも上昇基調が続いており、全事業の1/3を占めるまでに拡大している。

■海外生産比率
・2006年度実績……30.5%
・2007年度見込み……31.6%

■海外売上高比率
・2006年度実績……33.2%
・2007年度見込み……34.6%


また進出・投資先の傾向としては単に低コストのみを求めるのではなく、対象国の成長性や質に着目した投資に変化が進む傾向が見られている。

海外展開先としては、現状では中国がもっとも多く、次いでインド・ベトナム・タイの順になっている。

2006-2007年における事業計画の展開先傾向
2006-2007年における事業計画の展開先傾向

一方、中長期的な視野に基づいた事業展開先となると、候補の国の順列に違いが生じてくる。3年後という期限では相変わらず中国・インド・ベトナム・タイの順位に変わりはないが、長期的(10年後)な事業展開先として有望な国という問いには、中国がインドを抜いて1位の座を占めている。これは1995年に調査を開始以来始めてのこと。

長期的有望事業展開先
長期的有望事業展開先

表を見ると、インドが70%と中国の67%を抜いているのが分かる。また、ロシアがベトナムやタイを超えて第三位に上がっているのも注目に値する。

インドを長期的な事業展開先として選んだ理由をたずねたところ、「現地市場の今後の成長性」を挙げたところがもっとも多く84.6%、次いで「安価な労働力」47.6%、「優秀な人材」29.7%となっている。一方中国は「現地市場の今後の成長性」79.8%、「安価な労働力」50.3%に対して「優秀な人材」は14.6%でしかなく(代わりに「現地市場の現状規模」が30.1%)、ここからも「対象国の成長性や質に着目した投資」へ方針が移りつつあるのが分かる。

インドについては企業側の懸念材料である「インフラの未整備」「情報不足」などの問題が解決されることで、日本企業にとって今後有望な投資先・有力なパートナーとなる可能性は高い。中長期的な観点で注目すべき国といえるだろう。

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