東証が中東向け株価指数「S&P/TOPIX150シャリア指数」を開発、12月3日から配信

2007年11月24日 12:00

株式イメージ東京証券取引所は11月21日、グローバル・インデックス算出先大手のスタンダード&プアーズ(S&P)と共同でイスラム投資家向けの株価指数「S&P/TOPIXシャリア指数」を開発したと発表した。算出と配信開始は12月3日から。日本経済・産業を代表する主要銘柄を対象とし、その銘柄に対して最適な投資を確保できるよう開発された株価指数と説明している(【発表リリース】)。

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中東諸国では原油価格の高騰で利潤が拡大の一途を続け、その資金を「オイルマネー」と呼ばれるが如く各国に投資している。しかしイスラム諸国では、豚肉やアルコールを摂取したり利益を受け取ることが教義上できないため、このような事業を行なう企業への投資ができない。

そこで東証ではS&Pと共同で「広告・メディア、酒類、金融、ギャンブル、豚肉、ポルノ、タバコ、金銀取引」など不適合業態や、財務状況などをチェックした上で日本株の銘柄を選定し、イスラム諸国の投資家が売買可能な銘柄の値動きの目安として提示。「オイルマネー」を呼び込もうと言う狙いがある。

「オイルマネー」についてはすでに【オイルマネーの傾向・「オイルマネーが注目する銘柄」とは?】で説明したが、ばく大な資金力を背景にしたアラブ・イスラム諸国の売買が株価に与える影響は、無視できないどころか非常に重要な一要素である。イスラムの教義に従った銘柄で「彼ら」の注目の的になり買いが集まれば、その資金力の大きさから大きく値上がりするは必至(と市場は判断する)。ならば先回りして買いを入れておけば……と多くの人が考えるだろう。

具体的な選定銘柄は12月3日の配信時には公開されるはず。もちろんそれらの銘柄はイスラム教の教義を考えなくても良い人でも自由に売買できる(指数そのものに連動するETFは現在無いが、恐らくそう遠くないうちに登場することだろう)。「日経225採用銘柄は投資ファンドや企業年金が買うガイドラインとなるから、まとめ買いが入りやすいし信頼性も高い。だから投資対象としては他の銘柄より格が高くなる」という定説がある。「オイルマネー」が健在である限り、シャリア指数採用銘柄も似たような扱いを個人投資家から受けることだろう。


(最終更新:2013/08/18)

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