ジャスダックは「単独自主再建」の意向・タイムリミットは一か月
2007年11月27日 08:00
先に【取引低迷でジャスダックに再編案提示】や【大証がジャスダックを買収へ・産経報じる】でもお伝えしているように、業績不振によって大株主である証券会社の業界団体【日本証券業協会】から、【大阪証券取引所(8697)】の新興企業向け取引所であるヘラクレスとの統合を迫られているとされるジャスダックは、当面のところ単独で建て直しを図る方針を示したことが明らかになった([このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています])。11月26日の記者会見でジャスダックの筒井高志社長が言及したという。
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記者会見で筒井社長は「ナンバーワンの新興市場として自分の力を強化する」と述べて、当面はヘラクレスなどとの統合は考慮せず、ジャスダック単独での経営建て直しを図る方針を示した。その上で一連の「大証からヘラクレスとの統合に関するアプローチを受けている」という報道に対しては、「現段階で具体的な話はなく、白紙状態である」とコメントしている。なおジャスダックでは記者会見の議事録を公開するルールは無いようで、今件についても公式サイト上に掲載は行なわれていない。
一方、ジャスダックの筆頭株主で同取引所にヘラクレスなどとの経営統合も含む抜本的な経営改善を迫ったとされる日本証券業協会では11月26日、11月21日の記者会見議事録が公開され(PDF)、今件報道が事実であることが確認された。それによると
「4つの選択肢(独自再建、ヘラクレスやマザーズそれぞれ、ヘラ・マザ両取引所とあわせた合併)の提示」
「次の特別委員会の12月20日くらいまでには大証・ジャスダックとの意見交換や調整をする」
「当事者の事情もあるができれば12月20日までに結論を出したい」
などを日証協が主張していることが分かった。
ジャスダックの大幅赤字決算がほぼ確定している以上、大株主としても証券業界を取り仕切る立場としても、日証協としては早期に「効果的な」対応策を取りたいのが本音だろう。と、なれば12月20日(事実上今年末)までにジャスダックへの対応を決定付けたいと考えているものと思われる。
ジャスダックは「独自再建」を主張した。しかしその掛け声はともかく内容が日証協を納得・説得させるものでなければ、日証協側は首を縦に振らないだろう。大証側も正式には否定しているが、どちらかといえば統合には前向きなニュアンスが受け取れる。事実上一か月以内というタイムリミットの中で、ジャスダックが確実で説得力のある経営改善案を策定し提示できなければ、恐らくはヘラクレスとの統合で話が進むものと考えてよいものと思われる。
(最終更新:2013/08/18)
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