ネット利用者、商品の興味も調査も購入もネットが主流

2007年11月23日 12:00

【Webマーケティングガイド】は11月22日、オンラインショッピングに関する調査結果を発表した。それによるとネット利用者においては商品に興味を持つきっかけも購入場所も、パソコンを利用したインターネットによる場合がもっとも多いことが明らかになった。「インターネットを用いた買物」が特殊なパターンではなく、日常生活の中にごく自然に組み込まれている状況がうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は11月9日から13日の間、パソコンのインターネット経由で行なわれたもので男女比は1対1。回答数は全部で500人分。年齢は16歳から59歳までの間だが、年齢階層比は公開されていない。なお「パソコン」上から回答してもらったデータであるため「携帯」絡みの数字におけるずれの(携帯の数字が少なめ)可能性、さらに取得データ数がやや少なめなため世間全般の実情とは多少ずれがあることを考慮してデータを参照する必要がある。

「月一以上」オンラインショッピングが過半数

パソコンとモバイルそれぞれにおいて、オンラインショッピング(ネット上での通販の利用)をする頻度はどれくらいかを尋ねたところ、パソコンにおいては「月に1回程度」と答えた人がもっとも多く23.2%を占めた。

パソコン・モバイルそれぞれのオンラインショッピング頻度
パソコン・モバイルそれぞれのオンラインショッピング頻度

「月一以上」と答えた人をすべて合わせると63.2%。6割以上の人は少なくとも月一度はパソコンを使ってオンラインショッピングをしていることが分かる。元々パソコン利用者を対象にしたアンケート結果とはいえ、「一度も利用したことがない」がわずか5.0%しかいなかったこともあわせ、相当の普及率であることが分かる。

一方モバイルにおいては76.6%の人が「一度も利用したことがない」と回答しているが、これは今調査が「パソコン利用者」を対象にしたものが原因。パソコン上で自在にオンラインショッピングができるのなら、わざわざ携帯上で注文する理由はあまりない。

しかしこれまでに何度と無く記事にしてきたように「パソコンは使えないが携帯電話でならインターネットやオンラインショッピングを自在にこなせる」層(特に若年層、女性層)が増えていることを考えると、世間全般では「8割近くがモバイルによるオンラインショッピングをしたことがない」ということにはならないだろう。

「興味」「情報収集」「購入場所」いずれもパソコン上からがトップに

商品を購入するプロセスの中でも特に重要なのは、まず「興味」を持ち、その対象に関する「情報を収集」し、そして実際に売っている場所で「購入する」こと。それぞれのアクションにおいて参考にする(利用する)ものについてたずねたところ、「インターネット(パソコン)」と答えた人がいずれの項目でもトップにたった。

それぞれの行動において参考にするもの(利用するもの)は(複数回答)
それぞれの行動において参考にするもの(利用するもの)は(複数回答)

「興味」「情報収集」「購入場所」すべての項目でインターネット(パソコン)がトップについている。「興味」はテレビがほぼ同数で並んでいるが、テレビは自ら検索を行なうことができないため「情報収集」においてはるかに数字を落とし、実店舗での調査がインターネット(パソコン)につぐ値となっている。それがそのまま「購入場所」にも反映されているようだ。

今データはあくまでも「パソコンのインターネット経由」で「オンラインショッピングに関する調査」によって行なわれた調査結果によるもの。例えばスーパーで買物をしている主婦に同じ質問をすれば、まったく異なる結果が出ることだろう。また、日々の食事や日曜の消耗品をすべてオンラインショッピングで購入している状況も想定しにくい(毎日の夕食をコンビニやスーパーではなくネットでオーダーしたり、普段着やスーツをデパートやユニクロなどで購入せずにオンライン上で注文する状況はあまり無いような気がする)。

しかしそれらを差し引いて考えても、数年前における地位・位置づけと比べれば、オンラインショッピングははるかに身近な存在になったといえるだろう。


アマゾンは最近では野菜や薬まで手に入るようになった。電子商店街の大集合体こと楽天市場、ポータルサイトの強みを活かしたヤフーショップなどの集大成的なオンラインサイトではそれこそ爪楊枝から一軒家まで買うことができる。さらに各店舗・企業単位でのオンラインサイトもあわせ、インターネット上から商品を購入できる窓口は日々その数を増やしつつある。

「興味」「情報収集」「購入」という商品を手にするまでのすべての過程が一つの媒体(パソコン)で完結できるオンラインショッピングは、技術の進歩により、他の媒体・手段と比べると非常に便利な存在となりつつある。

実店舗・パソコン・モバイル
それぞれの利点を活かしつつ
商品窓口展開は進歩していく

他方、問題の店舗による詐取やデータ入力ミスによる誤購入・誤販売、技術的あるいはケアレスミスによる秘匿データの漏えいなど、安全性の確保問題は永遠の課題として残るだろう。また実店舗における「実物を見て聞いて触ってリアルな迫力を体験する」魅力にかなうものは何も無いことを考えると、どんなにオンラインショッピングが進歩しても実店舗展開は(ある意味オンラインショッピングの対極サイドとして)残る。むしろその特徴を活かせば、今まで以上の進歩発展が望めるに違いない。

さらに「実店舗」と「パソコン上のオンラインショッピング」とはまた別の層・媒体を形成しうるのがモバイル(携帯電話)・オンラインショッピング。持ち運びが可能なため、うまく工夫すれば「実店舗」との相互波及効果も期待できる。

今後ショッピングというテーマにおいては、テレビやチラシなどのメディアによる展開が残る一方、「パソコン上のオンライン」「モバイルオンライン」「実店舗」の3極を軸に、それぞれが他極のよいところを取り入れたり相互に協力しあうことで進歩発展し、利用者のニーズに応えていく方向で進んでいくと思われる。

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