【更新】個人投資家のネット取引割合増加中、ただし市場取引全体に占める個人売買代金は減少傾向
2007年11月20日 08:00
日本証券業協会は11月19日、2007年9月末におけるインターネット取引に関する調査結果を発表した。それによると、2007年度上半期(4月~9月)における個人の株式売買代金に占めるインターネット経由の売買比率が前回期(2006年下半期)に比べて3ポイント高い90.4%となり、2半期ぶりに90%台に達したことが明らかになった。株価変動が激しくなり、短期売買を繰り返すネット投資家の売買がかさんだことが原因と思われる([発表リリース])。
スポンサードリンク
発表リリースによればインターネット取引の口座数は前回調査(2007年3月末)と比べて7.0%・83万2076口座増加し1272万口座(正確には1272万1771口座)に達している。
インターネット取引の口座数
口座数成長率は2006年3月末時点における209万口座をピークに低下する傾向にあるが、現在もなお口座数そのものが増加していることに違いはない(2006年9月末で93.0万口座、2007年3月末で95.6万口座増加)。
2007年上半期のネット経由の売買は122兆2209億1200万円だった。同期間の個人の売買代金(東京・大阪・名古屋3市場の1・2部とジャスダックの合計)は[日経新聞調査]によれば約135兆円。個人ベースでのネット比率は90.4%となり、2006年下半期と比べると3ポイント高い。水準としては2006年上半期の91.6%に次ぐ高水準とのこと。
個人ネット売買代金合計(半期ベース)
2005年上半期:28.7%、93.2兆円
2005年下半期:31.5%、180.2兆円
2006年上半期:27.7%、132.4兆円
2006年下半期:24.7%、128.0兆円
2007年上半期:22.2%、122.2兆円
なお同資料には「全証券会社の売買代金に占めるインターネット取引の割合(個人以外の法人などを含む)」も掲載されており、これによれば2007年上半期における売買代金全体の割合は22.2%と2005年下半期の31.5%をピークに次第に減少しつつある。これは「個人の売買におけるネット取引の割合は増加しているものの、個人の売買そのものが減少しているため」である。
インターネット取引口座数は増加しているにも関わらず売買代金が減少しているということから、いわゆる「ライブドア・マネックスショック」以降、株価が低迷を続けると共に、インターネット取引を行う個人株主(の資産)が市場で損なわれ、回復していない(または売買頻度が低下した)ことがうかがえる。
スポンサードリンク
ツイート