トマトジュースが花粉症を和らげる!? カゴメがトマト含有「リコピン」の効用を確認

2007年11月17日 19:00

トマトイメージ【カゴメ(2811)】は11月15日、花粉症症状を有する人にトマトジュースや、トマトから抽出さらたカロテノイド(主にリコピン)を継続的に摂取することで、花粉症の自覚症状が改善することが確認できたと発表した(【発表リリース】)。今回の結果から、トマトの加工品を花粉症の季節の前後に摂取することで、鼻づまりやくしゃみなどの自覚症状を改善する効果が期待できるとしている。

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カロテノイドとは主に植物に含まれる色素の一種のことで、人間の血液中にも主にα-カロテン、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコピン(リコペン)、β-クリプトキサンチンの6種類が存在する。一番有名なのはにんじんなどに含まれる「β-カロテン」。最近では抗酸化作用による疾病予防作用も注目されている。

今回の調査は花粉症の自覚症状が2年連続発生して、スギ花粉症のアレルギー検査で陽性反応を示した成人を対象にしたもの。トマトジュースに関する調査では「リコピン35mgを含むトマトジュースを毎日1本」「リコピン3.5mgを含むプラセボ(偽薬)飲料を毎日1本」の両パターン、トマト抽出のリコピンに関する調査では「リコピン含有カプセル(20mg含有)を毎日1粒」「リコピンを含まないプラセボカプセル(0mg含有)を毎日1粒」の両パターンを用意。摂取12週間と摂取後2週間のあわせて14週間調査を実施した。

その結果、トマトジュースでは「水っぱな」「くしゃみ」「鼻のかゆみ」、リコピン含有カプセルでは「水っぱな」「目のかゆみ」で、花粉症の症状の改善が見られたという。

トマトジュース
リコピン含有カプセル
「水っぱな」における、トマトジュースとリコピン含有カプセル摂取者による効用の具体的グラフ。いずれもプラセボ(偽薬)摂取群と比べて状況が改善されているという調査結果が出ている。

また、花粉症の症状を推し量る数値として用いられる血液中の総IgE濃度(高濃度≒花粉症の症状が激しくなる)においても、トマトジュースは「傾向として」低下する傾向があり、リコピンカプセルでは明らかに低下する時期が認められた。

以上の結果からカゴメでは「トマトジュースやトマトに由来するカロテノイド(主にリコピン)の継続的な摂取は、花粉症の自覚症状を改善することができる」と説明している。

調査結果の数字だけを見ると確かに有意義な値が出ているが、検証対象人数がいずれも1桁台であるため、プラセボを用いた実験であったとしても、統計学的なことを考えると100%信じきるのには少々疑問が残る。さらなる検証や、科学的な解明が求められるだろう。

とはいえ、毎年酷い花粉症にさいなまれている人にとっては福音に違いない。「カゴメのトマトジュースを」というわけではないが(笑)、花粉症の季節ともいえる春にはトマトジュースを朝食に飲むのも検討してみてはいかがだろうか。


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