取引低迷でジャスダックに再編案提示

2007年11月16日 08:00

株式イメージNHKが伝えるところによると【ジャスダック証券取引所】の筆頭株主で証券会社の業界団体【日本証券業協会】は11月16日までに、ジャスダックに対し【大阪証券取引所(8697)】との統合など再編を含めた抜本的な見直し案を提示、検討を指示したという。年内に意見を集約する予定との事。現在ジャスダック・日本証券業協会両公式サイトには正式発表は無い。

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ジャスダックは元々新興企業向けの株式市場であるが2006年1月の「ライブドア事件」以降取引の低迷が続いている。今年度は【第一四半期の段階(PDF)】ですでに通期赤字予想を提示、先日発表された【中間決算(PDF)】においては、通期で営業利益で78億9400万円、純利益で16億6600万円の赤字を計上する予定としている。

ジャスダックとしては【ジャスダック創設の新市場名は「NEO(ネオ)」】にもあるようにベンチャー企業向けの市場を展開したり、【『セカンドライフ』上でプロモーション活動をする】など努力を続けてはいるが、赤字転落は避けられない見通し。

これを受けて筆頭株主の日本証券業協会側は15日に開かれた特別委員会で今後のジャスダックのあり方について、次の4案を提示したという。

1.現状維持で経営改善に取り組む
2.大阪証券取引所との統合(「ヘラクレス」絡み)
3.東京証券取引所との統合(「マザーズ」絡み)
4.「ヘラクレス」「マザーズ」と「ジャスダック」の統合


「1.」以外はいずれも相手の出方次第であるし、ジャスダック側の意地やプライドもあるだろう。一方で「1.」は、それが出来るのならとうの昔に現状は改善しているはずなので、選択をするのは難しい。

今件については「相手先」である各取引所との具体的な話し合いを進めた上で、年内をめどに意見を集約する予定だという。

日本国内の証券取引所の統合案については、以前から(地元密着型の取引所の存在意義もあわせ)問われていた話。特に「ヘラクレス」と「ジャスダック」、「マザーズ」は上場基準に違いこそあれ、投資家の観点からすれば「東証よりもハードルの低い新興市場向け取引所」という程度の違いでしかなく、複数存在する意味があるのかどうかという議論が続けられている。最近でも【国内証券取引所の統合・再編構想浮上、読売報じる】にあるように、年初から「機能面」で各種統合案が検討されているとの報が相次いでいる。

今回は機能や投資家からの観点ではなく、取引所の財務状態といういわば「お家事情」から統合案が提示されただけに、ひっ迫感はより大きなものといえるだろう。ジャスダック側がどのような検討を行なうのか、注目したいところだ。


(最終更新:2013/08/18)

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