今調査は2006年10月から11月の間に首都圏30キロメートル内で、40歳以上の既婚女性に対して訪問留置方式によって行なわれ、有効回答数は757人。40代が128人とやや少なめで、それ以外の年齢層は50代・60代・70歳以上がそれぞれ200人程度。

●意外にも「豚肉」「卵」が健康的なイメージ上昇中

健康のために意識的に食べる食品についてたずねたところ、前回2003年調査との比較でもっとも伸びたのは「豚肉」、ついでほぼ同量の「卵」が続いた。

健康のために意識的に食べるようにしている食品(2003年との比較量)

ここ三年の間に、「豚肉」や「卵」に対する意識がずいぶんと変化した(見直されてきた)ことが分かる。単に「食べたい」ではなく「健康のために意識的に食する」というところから、「豚肉や卵って、実は不健康じゃないのね」という印象が高まっているのだろう。リリースでは「一般的にコレステロールを気にして食べないようにする意識がありましたが、近年、コレステロールをはじめとして栄養学への正しい理解が深まり、むしろ完全栄養食と言われるほどのバランスの良い食材として、食事に取り入れるようになったのではないかと思われます」と説明している。また、これらの食品には俗に言う「良性たんぱく質」が多く含まれることもプラスに働いているのだと思われる。

例えば「卵」について「健康のために意識的にとるようにしている食品の中の内訳」を年齢別に、前回調査と比較したところ、歳を経るごとに割合が増えているのが分かる。

「健康のために意識的にとるようにしている食品の中の内訳」(卵の場合)

「豚肉」は「卵」ごと歳による差異はなく、すべての層で前回よりプラス。「豚肉」や「卵」は不健康っぽい、というイメージは改まりつつあるようだ(ただし豚肉、卵両者とも、「以前と比べて」であることに注意)。

●「野菜」「納豆」「豆腐」「海藻」「酢」……精進料理が健康食!?

50歳以上の女性に「健康のために意識的にとろうとしている食品」全般についてたずねた結果では、「見直されてきた」豚肉や卵を大きく引き離し、「野菜」「納豆」「豆腐」「海藻」「酢」などが上位を占めている。

健康のために意識的に食べるようにしている食品20品目

動物性たんぱく質を持つ食品は上位5位以内には無く、「小魚」に至ってようやく見受けられる。支持率が60％を超える「きのこ」までの食品をリストアップして食事を作るとすれば、随分と健康的な、まさに「精進料理」「懐石料理」的なメニューが完成しそう。

●脂肪分をひかえ、繊維質の多いものを……歳を経るにつれて健康志向は高まる

誰にでも分かる「健康志向な食生活への心構え」としては、「繊維質の多いものを食べるように」「カロリーの高い食べ物はひかえるように」「脂肪分の多い肉はひかえるように」「食事の前の間食や夜食はひかえるように」などがあげられる。これらの項目すべてにおいて、年齢を経るにつれて「はい」と答える人が増えている。

「脂肪分の多い肉はひかえるようにしている」

当然のことだろうが、年齢を重ねるほどに自分の身体について気になる、食生活を改めようと考えている人が多くなるようだ。

明らかに自分自身で「これは身体に良くないだろう」という食品を除けば、身体にとってプラスとなるかマイナスとなるかに関する「常識」は、その当時の研究結果や習慣、各種情報によって違ってくる。「肉の脂身はあまり好ましくない」という点では昔も今も変わらないが、その一方で「豚肉」や「卵」のイメージは変化を遂げつつある。歳を経ているから「肉も卵も避けられるでしょう」、という一辺倒な考えは改める必要があるのかもしれない。

また、先の中で例としてあげたが「精進料理」「懐石料理」をはじめとする日本食(和食)が、少なくとも高齢層の女性陣には「健康食」として映っていることが分かる。むしろこの健康食に関するイメージは高齢層に限らず、女性陣すべてにとっての共通の想いなのだろう。