『シムシティ』なドバイの海上住宅街
2007年11月11日 12:00
原油価格の高騰でますます潤う産油地帯の代表格であるUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで、世界一のビル「ブジル・ドバイ」が建設中なことは先に【UAEのドバイで世界一のビル「ブルジ・ドバイ」建設中・現在512メートル、最終的には700メートルに!?】でお伝えした通り。そのドバイで建築されている人工島の写真が【DailyMail】に掲載されていたが、それがあまりにも壮観すぎるので紹介することに。
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現在ドバイではオイルマネーをフルに活用してさまざまなインフラ整備やリゾート開発など、建築ラッシュが起きている。「ブジル・ドバイ」が代表的だが、写真の人工島・海上住宅街もその一つ。
この人工島は【パームアイランド(The Palm islands)】と呼ばれ、「The Palm Jumeirah」「The Palm Jebel Ali」「The Palm Deira」の三島から構成されている。最終的にはホテルや別荘、商業エリアで構成される一大リゾート地になる予定とのこと。もっとも建築が進んでいる「Palm Jumeirah」はすでに移住が始まっているという。
その「Palm Jumeirah」の写真がDailyMailに掲載されていたのだが、まずその壮観さに驚いた。「パームアイランド」とは直訳すると「ヤシの木の島」という意味。そのヤシの木の葉の部分にあたるところに住宅がぎっしりと立ち並んでいる。合理的で土地の有効活用という意味では正しい並び方ではあるし、日本でも平安京や平城京のようなマス目型、近代でもフランスのパリや名古屋の100メートル道路などの都市計画を想像することができるが、それをはるかに凌駕するだけのインパクトがある。
上からパームアイランド「Palm Jumeirah」の全景図、葉の部分の高級住宅街の様子。一番当方が驚いた写真については元記事のDailyMailで確認してほしい。
ちなみに外周部分は単なる防波堤というわけではなく、三日月をイメージしているのだそうな。
実際にどれだけの外観をしているのかが分かる動画も色々と見つけることができる。Youtubeで【The Palm Jumeirahをキーワードに検索すれば】かなりの数がピックアップされる。
プロモーション動画のパート1をピックアップ。英語は分からなくとも壮観さは体験できる。
『シムシティ』を一度でもプレイした経験のある人なら、あの整然とした住宅の建ち並びに「リアル・シムシティだ!」と思わずにはいられないだろう。こんなことができるのもひとえにオイルマネーのおかげ。
もちろん実際には埋蔵資源で稼げるうちに、国土に新しい観光資源を作り出して将来に備えたいという、未来へのビジョンに基づいた建設でもあることを忘れてはならない。どこぞの国のように、経済が少々バブル状態になったからといって無駄使いした国とはちょっと違うわけだ。日本でも東京湾の中央部に人工島を作る計画があった記憶もあるが、出来上がったのはせいぜい東京湾アクアラインくらいなものである。
さて元記事のDailyMailでこの「Palm Jumeirah」が取り上げられたのは、何も「ドバイの人工島はシムシティのようだ」というからなわけではない。概要をまとめると「この人工島の建造の多くの部分でインドからの出稼ぎ労働者が参加しているが、インドの通貨が急騰しているために相対的に労働者の賃金が目減りし、賃金の引き上げを求めている。そのため、建設が多少遅れる可能性がある」というものだった。
遅れが生じたとしても、よほどのことが無い限りここ数年のうちに「Palm Jumeirah」は完成することだろう。リアルに『シムシティ』が出来る、というと失礼かもしれないが、このようなユートピア的な環境を自らの手で作り上げられるUAEには、つくづく羨ましさを感じざるを得ない。
(最終更新:2013/08/18)
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