風邪薬 選んだ理由は 有名だから

2007年11月10日 12:00

お薬イメージ【MDBネットサーベイ】が11月に発表した調査結果によると、風邪薬でもっとも知名度(認知率)の高い商品は【第一三共ヘルスケア(4568)】の「ルル」であることが明らかになった。続く風邪薬もよく知られているものばかりで、風邪薬は「有名であること」「広告をよく見かけること」などがもっとも選ばれる理由であることがうかがえる(【発表リリース】)。

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今調査は11月6日から8日、インターネット経由で20歳以上の男女に対して行なわれ、有効回答数は406人。男女比・年齢階層比などの詳細は公開されていない。回答数が少なめのため、世間の実情とはぶれが生じている可能性を考慮した上で、データを閲覧する必要がある。

風邪薬、知られているのは「ルル」「パブロン」「エスタック」

市販されている風邪薬の認知度についてたずねたところ、もっとも良く知られている(≒使われている)のは第一三共ヘルスケアの「ルル」で96.3%だった。

市販風邪薬ブランド認知率
市販風邪薬ブランド認知率

続いて【大正製薬(4535)】の「パブロン」、【エスエス製薬(4537)】の「エスタック」などが上位に位置している。ドラッグストアや専門の薬局などで風邪薬コーナーに目をやれば、必ず複数の種類がおいてある薬ばかりである。また、自宅にある薬箱の中をのぞいてみれば、これら上位に位置している風邪薬のいずれかが、必ずやあるに違いない。

個人的には幼い時にお世話になった【ツムラ(4540)】の「ツムラ漢方葛根湯」の認知度が(ベスト10入りしているとはいえ)低めなのが少々残念。

風邪薬を選んだ理由は「有名」「広告を良く見かける」「成人用」

それでは一番認知度が高いとされる「ルル」について、なぜそれを選んだのか。「ルル」を知っている人や使っている人にイメージについて答えてもらったところ、「有名」がもっとも多く4割強を占めた。

「ルル」のイメージ
「ルル」のイメージ

「有名」が41.9%、「広告をよく見かける」が40.7%でこの2項目が4割超え。あとは利用者の年齢から仕方ないと思われる「成人用」が入り、「親しみがある」、そしてようやく薬そのものの効用「風邪全般に効く」が続く。

その他にも「安心できる」「飲みやすい」など、薬としての「ルル」の効用をポイントとした回答はそれほど多くない(もちろん「ルル」が風邪薬の効用の点で劣っている、というわけではないので、念のため)。


第二位の「パブロン」でもイメージ的には「有名」「広告をよく見かける」が上位を占めており、少なくとも上位の風邪薬においては宣伝による知名度の向上が支持に直接結びついていることが分かる。

これは恐らく、個別の効き目による違いが見出しにくくなるほど、風邪薬においては効力的には高みに到達してしまっていることが原因だと思われる。それぞれの商品のパッケージを見れば細かい効力の違いが語られているが、素人の消費者に例えば「ルルとパブロンとエスタックの違いはどこ? ●×の症状の時にはどれを使うのがベスト?」と聞かれても、答えられる人はいないだろう。

効力の違いがはっきりしなければ、知名度の高い、何度と無く耳にしたことのある商品を手に取るのが人の道理というもの。思い返してみれば上位についている風邪薬はいずれもテレビやラジオ、新聞などで広告を見たり聞いたりしたことがあるものばかり(中にはCMソングを頭に思い浮かべられるものもある)。もちろん「知っている商品ならば安心して使える」という消費者側の思いも、これら上位陣の商品を後押しする一因であろう。

よほど劇的な、他社の商品との違い(もちろん良い方向で)を見出せる風邪薬でない限り、風邪薬の分野では宣伝効果がきわめて明確に売上に反映されると見てよいのではないだろうか。

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