調査は4月13日・4月27日・6月15日に「過去1年以内に転職意向を持ち」「過去3か月以内に転職サイトを利用したことがある」人に対してインターネット経由で行われ、対象者数はそれぞれの調査で1030人、1854人、791人。対象年齢は25歳～39歳。男女比や年齢階層などは公開されていない。

●現職での不満は「給与」「待遇」「人間関係」

まず「転職」を考える前提になる「現職での不満」についてたずねたところ、「給与や待遇」と答えた人がもっとも多かった。

「転職する・しない」は別として現状に不満を持つ最大の理由は、経済面での正当な評価がなされていないという点にあるようだ。「仕事に対する評価」は給与などにも反映されるし、「会社の経営状態」が悪ければ給与や待遇も悪くなる。「スキルアップ」「人間関係」など人材育成や対人コミュニケーションの問題を除けば、現在の職場の不満点はいずれもが相関関係を持っているようである。

●転職検討理由は「やりがい」、期待するポイントは「仕事の内容」

それでは現職に不満を持った人が転職をしよう、と考える理由はどこにあるのか。それについては「よりやりがいのある仕事につきたかった」と答える人が過半数を占めていた。

待遇や仕事内容に不満を持ち、転職を考えるようになった状況が手に取るように分かる結果となっている。とりわけインターネット系では「自分をもっと価値ある存在にしたい」という想いが強いようだ。

仮に転職できるとして、新しい職場での期待するポイントは何か。これについてはやはり「仕事の内容」がもっとも多く半数近くを占めた。

現職では「給与や待遇」「人間関係(社内の雰囲気)」への不満が大きく「仕事の内容」は15.6％しか不満を持っている人がいないのに、転職先では半数近くが期待しているという、ミスマッチな結果が出ている。あるいは転職・新しい職場に「夢見がち」な状況を反映しているのだろうか。

似たようなアンケートはこれまでにも何度か当サイトでも取り上げているが、例えば【「転職したい」理由・トップは「上司との人間関係」】にある「転職したい理由」「離職した理由」を再掲載すると、今回の調査結果との相違がよく分かる。

勉強のテクニックを身につけて東大に合格しようというコンセプトの『ドラゴン桜』を連載してた週刊モーニングでは最近、同じ執筆者による転職に関する新連載『エンゼルバンク』がスタートした。「演出過多だ」「あからさま過ぎる｣という意見も少なくないが、転職事情を気軽に知るのにはぴったりなテーマ・内容ともいえる。

「転職」を考えている人は今回、さらにはこれまでの調査結果や『エンゼルバンク』などで「現在の転職事情」を把握した上で、再度自分自身に問いかけるのが良いのかもしれない。