情報発信する人は「買い物好き」!?
2007年11月08日 08:00
日経BPコンサルティングに掲載されていた【コラム】によれば、インターネット上で情報発信をする人は、しない人と比べるとネット上での消費行動も積極的だという。消費行動パターンそのものが以前と変わりつつある昨今、そして自分自身のことをひるがえって考え直してみると、的確で興味あるお話といえる。
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掲載された記事は、日経BPコンサルティングが四半期に一度定期的に行なっている「Webブランド調査」の結果によるもの。今コラムでは今年7月に行なわれた【2007-IV調査】を元にしているという。
それによると、サイト上で何らかの形で情報発信をしている人はしていない人に比べ、インターネット上での買物率が高い傾向にあるとの調査結果が出ている。
サイト上で情報発信する回答者による購入商品別インターネット利用率
ネット上で情報発信のする・しないにより、ネット上での消費行動にもっとも大きな違いが出たのは「CD・DVD・ビデオ」。ネット上での情報発信をしているグループが50%前後の購入をしているのに対し、情報発信をしない人は3割強に過ぎない。
他にも「書籍・雑誌」「衣料品・ファッション」など、特に他人の意見が気になることが多い嗜好品において、情報発信を「する・しない」によるネット上での買物率の乖離(かいり……へだたり)が大きいことが分かる。
一方、「株・保険・金融商品」のように大規模なお金が動く金融商品全般においてはほぼ同等、場合によっては情報発信者の方がネット経由での買い物率が低い結果が出ている。高額が動く商品の場においては、あるいは高額だからこそ「色々と問題が生じる」可能性を考え、あえて買物をしていないのかもしれない(あるいは「関係者」足りえるのでインサイダー取引になりかねず取引はしない、あるいはインサイダー取引になりえるからこそネット上での情報発信をしない可能性も考えられる)。
コラムでは「情報発信、つまり積極的に口コミを行なうインターネット・ユーザーは消費行動も活発である」とした上で、情報発信者が情報対象の購入者・ウォッチャーにもなりえること、だからこそ情報が二重三重に循環し「スパイラル化」する傾向があること、良い商品を作り良い評価を生み出せばポジティブスパイラルが発生するが、逆もまたありえること(俗に言う「バイラルマーケティング」による相乗効果)を説明している。
消費行動上の心理モデルがインターネットの普及によって「AISAS」(Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(情報共有))の循環(情報共有によって新たな「Attention」が生まれるから)が行なわれる、だからこそ情報発信者は多くの項目で情報消費者ならぬ情報「対象」消費者になりうるというのも理解ができる。
↓
1.ネットでの買物に抵抗感が無い
2.発信の過程で「刷り込み」
情報対象を購入していなくとも「AISAS」の過程で実際にさまざまな情報に触れることで「情報対象」商品のことが気になるし、「すりこみ」は多段階的に行なわれてしまう。単に街中でちらりと見たからという程度ではなく、毎日のように繰り返しテレビCMと近所のおばさんや友達の話を耳にするというレベルで情報が「すりこまれ」る。自分の考えの中の「お気に入り・購入決定」ハードルをクリアする機会が増えれば、実際に購入に行き着く可能性が高くなるのも当然といえよう。
実際当方(不破)も、とくに雑誌や漫画、新サービスの点で新商品や面白いものをリリースや記事で見かけてさらに調べ、記事にする過程でその対象への興味関心が高まり、気が付いたらアマゾンジャパンで注文していたり、手帳のスケジュール欄のサービス開始日に覚え書きをしていたりする。
情報発信者はネット上での情報に目ざとく敏感で、ネット上での商品購入に対する抵抗感がほとんど無い。さらに情報発信の過程で自らに情報を刷り込むことで、対象商品や関連商品への購入意欲が知らぬ間に高まっている。「情報発信者がネット上での商品購入の割合が高くなる」のも当然の結果といえるだろう。
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