値上げされても相変わらず人気が高いカップめん。実は値上げ額も横並び

2007年11月04日 12:00

インスタントラーメンイメージ先に【カップめんは主婦と若手独身男性の味方! 専業主婦の81%が「食べるのは昼食時」】でお伝えした、【マクロミル(3730)】による即席カップめんに関する調査結果では、昨今相次ぐ値上げに関する項目も掲載されていた。そこでは「値上げ前に買いだめする」「値上げ後に買う量をひかえる」などの行動パターンと共に、平均的カップめん購入価格や商品購入時の上限価格が語られていた。今回はこれら「即席カップめんの値上げとカップめん好きの人たちの消費行動」について少々考えてみることにする(【資料として用いた発表リリース、PDF】)。

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値上げ対抗策・「何もしない」が最多だが「事前買いだめ」「買う量減らす」も

まず、相次ぐ即席カップめんの値上げに対する行動の調査結果。「特に何もしない」がもっとも多いが、「いくつか事前に買いだめする」「値上げされたあと買う量を減らす」という意見もかなり寄せられた。

即席カップめん値上げに対する行動
即席カップめん値上げに対する行動

カップめんの値上げに対する反応は男性よりも女性、壮齢よりも若年層の方が敏感のようだ。「値上げ後に買いびかえをする」は男女とも年齢が若くなるにつれて割合が増えている。

また量の多少に関わらず「買いだめをする」は女性、特に30代から40代の女性に多い。「数個は買いだめする」と答えた該当年齢の女性にいたっては半数近くという結果が出ている。以前の記事でも指摘したが、女性、特に専業主婦にとって「即席カップめん」は「我が心の友」であり、値上げはしのびがたいもののようである。

さて今調査では購入する即席カップめんに対する価格の上限値について、2つの観点から調査が行なわれ、その結果が出ている。一つは「普段購入するもの」もう一つは「魅力を感じる商品に対する上限」である。

普段メインで購入するカップめんのおよその額
普段メインで購入するカップめんのおよその額
商品に魅力を感じた際に購入する上限額
商品に魅力を感じた際に購入する上限額

調査結果を見ると「主力即席めんにおける平均購入額は127.8円」「魅力がある商品は206.2円までなら出せる」ということが分かる。もう少し細かく見なおしてみると、「女性より男性の方が多少金銭面で妥協できる」「魅力ある商品への価格面での妥協にはかなりばらつきがある」「主力即席めんでは100~149円の価格帯を守ることが事実上絶対条件(約半数を占めている)」などの結果が分かる。

値上げでメーカー・商品毎に購入量の違いは出るのか? 調査過程で意外なことが

さて、一連のカップめんメーカーにおける一斉値上げがどのような影響を及ぼすかについて、それぞれの主力商品の値上げ幅と値上げ前後の価格、さらには「普段購入するもの」「魅力を感じる商品に対する上限」との価格帯の関連を調べてみたのだが……結果から述べると「消費減少は間違いないが、具体的な数字は予想不可能」という結果が出た。理由は大きく次の二つによる。

主力商品は値上げ前後共に価格が横並び

一つは「各メーカーの主力商品の定価がなぜか値上げ前・値上げ後で横並びなこと」。具体的には「値上げ前は155円、値上げ後は170円」で統一されている。量や種類の違いで+αがあるものの、各メーカーの主力即席カップめんはすべてこれまで155円で、値上げ後は170円。これでは比較のしようがない。

「メーカーによって値段に違いがあるはずだから、値上げ攻勢がおわったあと、引き続き平均購入価格帯にあるこの商品は売れ続け、価格帯を超えてしまった別の商品は売上が落ちるはずだ」との考えからチェックを入れた当方の目論見は見事に外れてしまった(笑)。

定価でカップめんを買う人はそれほど多くないのでは?

即席カップめんイメージ次に挙げられるのが「定価と実売価格の違い」。一つ目の理由において「現在定価は155円で横並び」としているが、これは一般のスーパーやデパート、コンビニでの販売価格。ドラッグストアや100円ショップなど、多くの人が利用するであろう店舗では大抵において数十円の値下げが行なわれている。恐らくは100円+消費税での価格帯がメインのはずだ。実売価格との差が3割程度(105円÷155円=0.67)であることを考えると、値上げ後は(安売り店では)120円前後に落ち着くことだろう。奇しくも缶ジュースの価格と同じになる。

先の「普段購入するもの」「魅力を感じる商品に対する上限」も定価ではなく実売価格での判断だから、値上げ後「主力カップめんの額は105円~120円」の層は今後の購入をためらう可能性が出てくるが、それ以外は値上げ後も相変わらず購入を続けることになる(元々「99円未満の層」は現状で定価155円・実売105円前後のカップめんは購入しない)。

以上二点から「値上げ後は即席カップめんの値上げ後も、多少の減少はあるものの全般的に消費量の劇的な減少はない(変化量は推測不可能)。ただしこれまで以上に安売り店のニーズが高まる」という結論に至った。尻切れトンボな雰囲気だが、仕方が無い。


バイオエタノール絡みや新興国の需要増加、オーストラリアなどでの干ばつ、さらには小麦や石油をはじめとした商品価格の投機性の激化や市場の資金量急増によって、原材料が騰がる状況は避けられない。必然的に即席カップめんの値上げも回避できないお話。

一人一人の消費者が出来る対抗手段といえば、ディスカウントストアやアマゾンジャパン・楽天市場などのネット通販でまとめ買いをして、単価を抑えることくらいだろう。いわば「生活防衛」というわけだ。

食事制限の関係からカップめんそのものにはとんと縁が遠くなった当方(不破)だが、このようなニーズが想定される状況をみるにつけ、「即席カップめんの通販購入サイトでも作らねばならないのかもしれない」と考えるようになったほど。近々アンケートを設ける予定なので、ご協力いただければ幸いである。


(最終更新:2013/08/18)

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