パソコンゲーム黎明期の開発会社日本テレネット、事業停止・事実上の倒産へ

2007年11月01日 08:00

ゲームイメージ東経ニュースが10月29日に伝えるところによると、かつて日本国内ゲームソフト開発会社としては十本の指に入るほどの知名度と多数のタイトルを輩出していた【日本テレネット】が10月25日までに事業を停止、事後処理を弁護士に一任していたことが明らかになった。負債総額は約10億円と報じている(【該当記事】)。

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日本テレネットは1985年に「アメリカントラック」でデビューした、パソコン用ゲーム機ソフト開発を主事業としていた会社。『ヴァリスシリーズ』『緋王伝シリーズ』『天使の歌シリーズ』などNECのPC-8801・PC-9801などが主流だった時代に次々と新作を送り出し、発想の斬新さや曲へのこだわりは多くの人から一目置かれていた。

元記事によると日本テレネットは最近ではパチンコゲームソフトを主体に開発販売していたものの、アメリカの子会社におけるゲームセンター経営の失敗や採算性の悪化で債務超過状態が続き、ゲームソフトの営業権譲渡、株式の売却などで再建を図ってきたがそれも限界に達し、今回の「事業停止」という結果になったとのこと。

当方(不破)としては上記に例示した『緋王伝シリーズ』の初代をちまちまとプレイした以外に、同社が発売したいくつかの戦略級シミュレーションゲーム『斬』(日本の戦国時代物)『轟』(第二次大戦物)をそれこそ夜も眠らず昼寝して時間を費やした経験がある。

比較的難易度が低い戦略級ものとしてシミュレーション性はともかくゲームとして楽しめるものがあったのだが、なにぶんにも不具合が多くて閉口した記憶も頭に残っている(笑)。当時『斬』を「無斬(無残)」、『轟』は「怒轟(怒号)」と表現したくらいだ。それでもプレイを続けたのは、それなりに面白かったからに他ならない。

日本テレネットからは開発グループの一つであるウルフチームが知られており、さらにそこから分派したスタッフらによって今でも有名なタイトルを続々輩出する有力開発会社が作られるなど、ゲーム業界には確実にその遺伝子を残している。例え事業が整理され、法人としての日本テレネットなどがなくなっても、その名前は確実にゲーム業界に刻まれることだろう。

なお会社概要によれば、関連会社には【コムシード(3739)】などがある。

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