農林中金、サブプライム関連損失900億円超に
2007年11月28日 06:30
【発表リリース、PDF】)。ただし貸倒引当金の戻り益などが発生したことで利益全体は増大し、中間期決算では連結純利益1435億7500万円を計上している。
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農林中金においては先に【農林中央金庫、サブプライムローンで400億円の含み損計上へ】にもあるように、正式発表に先行する形で一部報道にて「400億円の含み損を計上する」という情報が流れていた。しかし実際にフタをあけて見ると9月末時点で、
・サブプライムローン関連商品残高は4767億円。総資産の1%未満に過ぎない。
・すでに384億円を償却している。
・残高に対する評価損は533億円。
・サブプラ自身やSIVなどにはノータッチ。
などと言及している。384億円+533億円と計算すれば9月末時点で917億円のサブプラ関係による損失(確定・含み合わせて)。なお一部報道によれば(日経新聞)、10月末時点で含み損は140億円ほどさらに増加しているとのこと。これをそのまま追加計算すると、すでに含み・確定あわせて1000億円以上のサブプラ損失を受けている計算となる。
先の記事にもあげたように主要金融機関では
【みずほフィナンシャルグループ(8411)】……約1700億円
【野村ホールディングス(8604)】……約1400億円
【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】……約870億円
などのサブプライムローン関連における損失を発表している。今回の農林中金の損失は、これらの大手金融機関の額に匹敵するものとなる。
もっとも農林中金自身が主張しているように、仮に残りのサブプラ関係商品すべてが「評価ゼロ」と試算しても総資産の1%未満にしかすぎず、現状でもこの917億円を計算に含めても1400億円あまりの利益を計上している。少なくとも「直撃弾」で農林中金の土台がゆらぐことはないだろう。
むしろ他の金融機関が同様の損失で痛手を被り、(連鎖)「誘爆」に巻き込まれることの方が懸念されるのだが、それは「もしも」のレベルでしかない。もちろん可能性がある(しかも現状では比較的高レベル)以上、注意・留意するにこしたことはない。
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