外出先での電池切れ経験は7割……携帯電話と充電器事情

2007年11月09日 06:30

モバイルイメージネットエイジアは11月8日、外出時における携帯電話の充電に関する調査結果の一部を公開した。それによると、携帯電話を外出先で利用していて電池が切れてしまった経験を持つ人は7割にも登ることが明らかになった。また、ちまたにあふれている充電器について今後購入したい充電器は「ソーラー充電式充電器」が3割強でトップについたことも分かった(【発表リリース】)。機能が充実する一方、ますます顕著化する携帯電話の「アキレス腱」ともいわれている電気周り問題。悩みを抱えている人は多そうである。

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今調査は15~29歳の携帯電話ユーザー300人を対象に携帯上のネット経由で行なわれたもの。男女比は1対1。年齢階層は10歳代が100人、20~24歳が100人、25~29歳が100人。アンケート実施日などは公開されていない。データ数がやや少なめなので世間の実情とはぶれが生じている可能性を考慮した上でデータを見る必要がある。

外出先での「電池切れ」7割

外出先で携帯電話の電池が完全に無くなった経験があるかどうかの問いには、「よくある」が24.3%、「ときどきある」が45.3%で、合わせて69.6%の人が「電池が完全になくなる経験」をしていた。

携帯電話も電気製品なだけに、電池が無くなれば当然使えなくなる。「電池切れ」という事態を避けるため、何かふだん心がけていることはないかとたずねたところ、「電池が残り少なくなってから充電する」がもっとも多く49%、「省電力表示にしている」37%という結果が出た。

■電池消耗を防ぐための「工夫」

・電池が残り少なくなってから充電……49%
・省電力表示……37%
・圏外で電源を切る……10%
・こまめに電源を切る……5.7%
・特にない……28%


日頃から省電力に心がけたいのは山々だが、「いつでもどこでも使える」のが前提な携帯電話なだけに、出来る事はあまり多くなく、利用者側も苦慮しているようだ。

それでは携帯電話の「電池の持ち」に対する不満はないのだろうか。「電池の持ち」の感想を尋ねたところ、「満足」派は46.4%と約半数を占めていることが分かった。

「携帯電話の電池の持ち」に満足しているか
「携帯電話の電池の持ち」に満足しているか

「不満足」派は34.6%で、満足派と比べると10%ほど少ない。これを「満足派が10%も多いではないか」ととるのか、「不満を持っている人が3割以上もいる」と受け取るのかは人それぞれといえよう。

出先で充電をする時の対応策は

レポートでは出先での携帯電話の充電について、2つの状況を想定している。すなわち「完全に無くなった場合」と「少なくなって不安に思った場合」である。それぞれについてどのような対応をとったのかたずねてみると、次の結果が出ている。

■「完全に」電池切れの場合

・簡易式充電器を購入して充電……37.3%
・携帯ショップで充電……22%
・店や施設のコンセントを黙って拝借……13.4%

■電池切れ間近の場合

・簡易式充電器を購入して充電……31%
・携帯ショップで充電……15.4%
・店や施設のコンセントを黙って拝借……13.3%
・替えの電池パックで充電……7.9%


「完全に電池切れでどうにも立ち行かなくなった」という切羽詰った場合には、やや「携帯ショップに駆け込む」割合が多いようだが、いずれのパターンでも「3~4割は充電器購入」「1~2割はショップで充電」「1割程度が盗電」という傾向にあるようだ。

今後欲しい充電器は「ソーラー充電式」がトップ

携帯電話本体を購入すると基本的に充電器(あるいはアダプター)が同梱されている。また、別売りのスタンドを一緒に買った人も多いだろう。それら「初期セットについてくる充電器」以外に、今後欲しい充電器についてたずねたところ、太陽電池による充電式充電器がもっとも多い回答を得られた。

■今後欲しい携帯電話用充電器

・ソーラー充電式充電器……35.3%
・手動充電タイプ式充電器……19%
・電池交換式充電器……19%


レポートでも言及されているが、電源が確保できなくても充電ができる「ソーラー式」「手動式」は、緊急避難をしなければならないような状況においても使用できるとしてニーズが高いようである。


機能が続々と追加されまさに万能携帯情報端末と化しつつある携帯電話だが、共通の、そして最大の問題点が「電池の持ち」にあることは、利用者だけでなくメーカー側も納得する話。特に最近ではワンセグ機能搭載タイプの普及が広まり、電池の消費量がますます増えたことにより、「電池問題」はこれまで以上に頭痛のタネとなりつつある。

先の【地震や水害、避難時に携帯電話は有効か?やはり不安は電池切れと回線混雑】でも「もしもの時の不安は電池切れと回線混雑」という回答が出ている。また似たような設問が【電池劣化がケータイ本体の買い替え時……携帯電話の充電池事情】でも行なわれているが、こちらでは「切れたまま」がもっとも多く、次いで「ショップで充電」「非常用充電器をその場で購入」など今件とは少々異なる結果も出ている。どちらとも調査母体数が300と少なめで、調査対象年齢層も異なるので「ぶれ」が生じているのだろう。

携帯電話の充電問題を解決するために、数倍の長持ちタイプとなるであろう燃料電池の開発も進んでいるし(【携帯電話最大の弱点も燃料電池で解決? 3倍から6倍長持ちタイプが来年にも商用化へ】)、各メーカーも消費電力を極力抑える方面で長持ちさせようという工夫をしている(【日立グループ、携帯液晶向けの高性能薄型タイプ・省電力タイプの新液晶IPS液晶モジュールの開発に成功】)。また、置くだけで高速・簡単に充電しようというシステム(【ケータイもDSも置くだけで充電可能!? 15分で携帯電話がフル充電のワイヤレス急速充電システム開発中】)や、果ては着ているだけで充電できるシャツまで開発中(【歩いているだけで携帯電話が充電できるシャツが出来る……かも?】)。

いまや現代生活においては欠かせない存在となった携帯電話。いわば「生活必需品」となった立場なだけに、電力問題は(本体こそ小さいけれど)大きな問題として利用者・提供者双方にのしかかっているようである。

(最終更新:2013/09/08)

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