本屋はやはり重要です~79%が書店での書籍購入頻度は「月に1回以上」
2007年11月02日 06:30
【エルゴ・ブレインズ(4309)】は11月1日、書籍に関する調査結果を発表した。それによると、「月に1回以上書店で本を買う」と答えた人は全体の79.0%に達していることが明らかになった。インターネット通販の普及で本屋の経営が圧迫されていることをよく耳にするが、本屋のニーズは相変わらず高いことが分かる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は10月24日から10月29日にネット経由で行われ、サンプル数は1613人。男女比は4対6。年齢構成比は30代がもっとも多く32.9%、ついで20代の30.8%、40代の18.9%など。サンプル数は十分だが、インターネット経由による調査なので「ネットをほとんど使わない(≒ネット通販を利用しない)本好きな層」の意見が反映されていないことを念頭においてデータを見る必要がある。
●「書から学べ」とお年寄りは言うけれど
そもそも「読書をするかどうか」についてたずねたところ、ほとんどの年齢層で9割以上が「読む」と答えている。
「書籍を読みますか」
ところが以外にも50代以上の年齢層では3割近くが「書籍は読まない」と回答している。テレビやラジオをたしなんでいるのか、老眼で本を読むような状況ではないということなのだろうか。あるいは「書を捨て外へ出よう」を自ら体現しているのかもしれない。
●ネット通販は便利だが、それだけでは……
アマゾンジャパンや楽天市場など、最近ではネットを使って本を気軽に購入できるようになった。それでは本を買う時に実際の店舗を使うか、それともネット通販を使うかについてたずねたところ、「両方」と答えた人がもっとも多く過半数を数えた。
実店舗とネット通販、どちらで本を買うか
実店舗のみを使う人が4割強いるのに対し、ネット通販のみを利用して本を買う人はわずかに2.3%。この調査自身がインターネット経由で行なわれていることを考慮しても「ネット通販による本の販売は、実店舗の補完としては役に立つものの、完全にとって代わるまでには至っていない」ことが推定できる。
●「月一以上で書店で本を買う」79%
「本離れ」という言葉が独り歩きして久しいが、実際にどのくらいの頻度で書店やネット通販は利用され、本が購入されているのか。ネットでは「年数回」が過半数の一方で、実店舗の書店では「月に2、3回購入」と答えた人がもっとも多く4割近くを占めた。
実店舗の本屋とネット通販、それぞれで本をどのくらいの頻度で買うか
「毎週購入する」「月に2、3回購入する」「月に1回くらい購入する」をあわせた「月に一度以上の割合で本を購入する」層は実店舗で79.0%、ネット通販では39.0%だった。最多数層でネット通販より実店舗書店の方が購入頻度が高いだけでなく、全般的な利用頻度においてネット通販以上に実店舗の本屋が利用されていることが分かる。
今調査が対面調査ではなくインターネット経由での調査で、本を買う機会のある人には「ネットをあまり利用しない」層も含まれることから、実際には実店舗の本屋を積極的に利用する人の割合はもう少し多いものと思われる。「ネット書店の進出による本屋不況」が問題視され、実店舗の本屋の整理統合が続いているが、実店舗書店はライバルと思われていたネット書店にまだまだアドバンテージを持っていることが分かる(実店舗の本屋の経営が苦しいのには他にも理由があるのだが……これは当方の「領域」および今サイトのではないので省略)。
一方、同調査結果からは「実店舗書店での平均利用金額は1000円以内が最多」「ネット通販では2000円以内が最多」という興味深い結果も出ている。商品を手元に届けてくれるネット通販の場合には、「高価な本」「手に入りにくい本」「他人に知られたくない本」などをまとめて購入するため、つい一回あたりの利用金額が高くなってしまうのだろう。
その他にも今調査では、ネット通販と実店舗における、「書店」の傾向の違いが色々とレポートされている。もう少し時間をかけて分析すれば、さまざまな興味深い内容が分析できるはず。今レポートについては後日、日を改めて記事を書き連ねることにしよう。
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