[更新]インターネット広告費、三か月連続で2ケタの伸び率

2007年11月27日 12:00

広告イメージ経済産業省は11月15日、特定サービス産業における動態統計データの2007年9月分を発表した。それによるとインターネットの広告費は前年同月比で22.5%と三か月連続して2ケタ台の伸びを示していることが明らかになった。一方で4大メディアと言われている4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)の合計は0.9%の減少を見せており、少なくとも広告費の面では広告出稿側がそれぞれの媒体に対する注力度を変えつつあるようすがうかがえる(【発表ページ】)。

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発表された最新データによると広告全体の売上は2007年9月一か月間においては5363億5500万円となり、前年同月比で2.6%のプラスとなり、三か月連続してプラスを示した。内訳を見ると4大メディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)の合計は2118億6700万円で三か月ぶりに前年同月比マイナスとなる-0.9%の値を示している。一方、インターネット広告は計測そのものが昨年1月から始まったこともあり、「前年同月比」が計算できるのは今年1月からとなるが、それでも6月の3.8%をのぞけば毎月2ケタ台の伸び、特にここ3か月は30.7%・21.9%・22.5%と三か月連続して前年同月比20%超の伸びを見せている。

広告費全体・4大メディア・インターネット広告費(2005年~)
広告費全体・4大メディア・インターネット広告費(2005年~)(クリックで拡大表示)
広告費全体・4大メディア・インターネット広告費の前年同月比(2007年)
広告費全体・4大メディア・インターネット広告費の前年同月比(2007年)(クリックで拡大表示)

両グラフを見ればわかるように、インターネット広告の広告費は広告全体から見ればまだわずかな額に過ぎない。しかし広告費全体や4大メディアの広告費が停滞気味であることに比べると非常に順調な伸びを示しているのがわかる。計測しはじめてからまだ2年目なので今後の動向はつかみにくいが、このままの伸び率が続けばインターネット広告の広告費が広告費全体に占める割合は確実に増加し、他の広告(費)を脅かす存在になりうることは間違いあるまい。

ただ、既存メディアも例えば【日テレとセブン、電通が新会社「日テレ7」で通販会社を設立・マルチメディア展開へ】にあるように、インターネットの広告やインターネットそのものをうまく使いこなして相互作用を狙う動きも多々見せている。

広告主のふところ具合に変化がなく、広告効果が停滞気味あるいは劣化すれば「既存メディアへの広告からインターネット広告へのスライド」傾向は一層拍車をかけることになるだろう。しかし相乗効果を生み出すことができれば、広告主から新たな広告費をねん出させ、インターネット広告の伸び基調に他メディアも相乗りする事は可能だろう。

※更新:クリックで各図表を拡大表示できるようにしました。

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