お一つ20億円! 落としたら田園調布の家がダース単位で吹っ飛ぶ「たまご」とは

2007年11月24日 12:00

ロスチャイルド ファベルジェエッグイメージ【DailyMail】などで報じられているように、今月11月28日にイギリス・ロンドンで世界から注目を集めている【クリスティーズ(Christie's)】オークションが開催される。話題を呼んでいる「商品」は11月26日から30日にかけて行なわれる「ロシアンアートウィーク(ロシア美術品週間)」のオークション品のうちの一品で、ロシアの秘宝と言われている「ファベルジェ・エッグ(Faberge Egg)」の一つ「ロスチャイルド ファベルジェエッグ」。落札想定価格は上限で900万ポンド(約20億円)とされている。

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ファベルジェ・エッグ(Faberge Egg)とはロシア・ロマノフ王朝時代に作られた、豪華な飾りで形作られた宝飾品。キリスト教のお祭りの一つイースター(復活祭)では贈り物として色々な色にペイントした卵(イースターエッグ)を作る習慣がある。ロシア革命前の帝政ロシアは国教としてキリスト教を採用していたが、ロシア皇室(ロマノフ王朝)ではお抱えの宝石商「カール ファベルジェ」の工房に最高級の金銀財宝で形作られた「イースターエッグ」を作らせ、海外の王室などに贈り物として贈呈していた。王朝の権威と財力を示すと共に、教会への信仰心の深さをアピールする狙いがあったようだ。

いわばロシア・ロマノフ王朝の優雅さと富の象徴ともいえるファベルジェが製作した「イースターエッグ」こと「ファベルジェ・エッグ」は全部で54個。そのうち50個までの存在が確認されている。今年の春から梅雨にかけて、江戸東京博物館では特別展示展として、クレムリンエッグが日本で初公開された(【関連ページ】)のが記憶に新しい。

今回クリスティーズでオークションにかけられるのは、この「ファベルジェ・エッグ」の一つ、1902年に作られた「ロスチャイルド ファベルジェエッグ(The Rothschild Faberge Egg)」と呼ばれるもの。54個作られたもののうち、ロマノフ王朝以外向け(今品はロスチャイルド家向け)として作られたわずか12個のうちの一つ。

「ロスチャイルド ファベルジェエッグ(The Rothschild Faberge Egg)」

「ロスチャイルド ファベルジェエッグ(The Rothschild Faberge Egg)」
「ロスチャイルド ファベルジェエッグ(The Rothschild Faberge Egg)」

クリスティーズの今出展品のリリース(【該当リリース、PDF】)によれば時計としての機能も持つこの「ファベルジェ・エッグ」では、一時間毎に上のフタが開き、ニワトリが15秒ほど現れて時を知らせてくれる。【公式サイトには動画も用意されてその様子をみることができる】が、表現を変えれば「世界一高価なハト時計ならぬニワトリ時計」と呼ぶことができるだろう。

DailMailでは「ロスチャイルド ファベルジェエッグ」を運ぶ様子の写真が掲載されていた。右側の男性にしてみればこの一作業で十年単位の寿命が縮まったに違いない。
DailMailでは「ロスチャイルド ファベルジェエッグ」を運ぶ様子の写真が掲載されていた。右側の男性にしてみればこの一作業で十年単位の寿命が縮まったに違いない。

DailMailには開催者側のコメントも記されているが、それによるとロシア王朝関連の美術品はここ数年の間に高騰を続けているという。今回の「ロスチャイルド ファベルジェエッグ」にも開催国のイギリスはもちろん、アメリカ、スイス、ロシア、そして中東から多くのオーダーが期待できるとのこと。

28日のオークション終了後には同サイトで落札結果が公表されるだろうし、各メディアも大きく取り上げることだろう。「世界でもっとも高価なたまご」がどれほどの値がつくのか、当方も含むほとんどの人には縁の無い話ではあるが(笑)、気になるところだ。


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(c) Christies 2007

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