【更新】東証が株式売買単位を100・1000株に集約、2009年から開始・2012年までに

2007年11月25日 12:00

株式イメージ[共同通信]や[日経新聞]は相次いで、東京証券取引所が11月24日に、株式売買における最低限の株数である「売買単位」(単元、「枚」)を2012年4月までに100株と1000株の2種類のみとする方針を明らかにしたと報じた。公式には11月27日に発表するという。25日現在東証の公式サイトには一切関連する情報は掲載されていない。

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現在東証では売買単位として1株、10株、50株、100株、500株、1000株、3000株の7種類を認めている。今回の報道ではこれを100株と1000株の2種類に統合するとのこと。統合先となる100・1000株以外の売買単位を用いている企業は15%程度とされ、東証自身はすでに各証券会社から了承を得ていると報じている。今年中にも各企業側に売買単位の変更を要請するという。

今回の売買単位の統合集約は、実売最低価格を銘柄間で比較しやすくしたり、株価と株数を間違えて注文して誤発注をすることがないような効果を狙っている。今回の統合についてはまず東証自らが行動に移るが、大証や名証など他の証券取引所にも追随する動きがあるとも伝えられている。

株式の売買単位自身は2001年の商法改正で株式の大きさに制限がなくなり、定款で自由に決められるようになった(同時に株式は無額面株式となった)。しかしこれではスムースな売買が出来ないため、基準をもたせるために用意されたのが、売買取引単位である「単元株制度」。単元株は議決権の単位にもなる重要な基準であるが、今回の東証の決定が事実だとすれば、上場企業の単元株(議決権単位)は100株・1000株に集約されることになる。

気になるのは現在100・1000株単位以外の売買単位を採用している銘柄。50・500株の場合には容易に変更は可能だろうし株主の混乱もそれほど大きくはない。しかし1・10株の場合には最低単位の100株に引き上げるために、最低でも100分割、あるいは10分割と同じ調整をする必要がある。例えば【NTT(9432)】【JR東日本(9020)】の場合、22日終値はそれぞれ48万9000円・91万5000円(各1株あたり)だが、100株に売買単位を調整する場合1株がそれぞれ4890円・9150円になる(それぞれ売買単位は100株になるため、1取引単位は48万9000円・91万5000円で変わりなし)。もちろん手持ちの株式の価値が10分の1・100分の1になるわけではないのでご安心を。

一部報道ではこの他に、1取引単位で非常に高額な投資資金を必要とする高値銘柄企業には株式分割をうながして、個人投資家でも取引できる水準に調整してもらうことも検討すると報じている。もっともこの点については【売買単位100株、東証一部では4割に達す】にあるように、努力目標で強制力は無いものの、すでに東証自身実行に移している。今回の報の主旨は「努力目標」ではなく「強制力のある規則」としてルール化する、ということなのだろう。

正式な発表は11月27日とのこと。前後して東証の公式サイトにもリリース(あるいはパブリックコメント)の形で情報が公開されるに違いない。まずは正式発表を待つことにしよう。

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