エフエックス札幌、破産手続き開始・北海道財務局は行政処分を発動

2007年10月23日 08:00

株式イメージ先に【FX市場堅調の中で・エフエックス札幌、債務超過で取引業務停止と強制決済】でお伝えした、北海道札幌市の外国為替証拠金取引(FX)業者の【エフエックス札幌】が債務超過に陥り顧客に強制決済通知を出すと共に返金に応じていない件について、北海道財務局は10月22日、金融商品取引法に基づく業務停止命令を含む行政処分を発動したことを発表した(【発表リリース、PDF】)。なおエフエックス札幌は同日、破産手続き開始を札幌地裁に申し立て、同地裁は開始決定をしている。負債総額は23億3280万円。金融商品取引法に基づく業務停止命令の発動は今件が初めてとなる。

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エフエックス札幌では顧客の取引内容を強制決済したと10月17日付けで文書にて通告。その文章内で理由について「(自社の)債務超過解消のめどが立たないため」と説明。さらに顧客からの返金要請には応じていない。文章内では「週明けにも今後の運営方針を決めたい」とコメントしていたが、その答えが「行政処分」と「破産手続き」だったということになる。

北海道財務局および金融庁の発表によれば、当局側はエフエックス札幌に対し「来年4月21日までの業務停止命令」「証拠金や会社財産の正確な把握、不当消費の禁止、投資家保護、店頭・ウェブサイトへの情報開示の徹底」を行政処分として命じている。しかし同社はすでに破産手続きを開始しているため、業務停止命令は事実上空振りに終わったことになる。

また北海道財務局のリリースによれば、先の記事で「内部関係者の話」として未確定情報のレベルとして伝えられていた「証拠金その他の保証金等について、自己の固有財産と区分していない」ことが明らかにされた。要は「顧客のお金と経営陣の個人財産(や会社そのものの資金)を一緒に扱う」「お客の財布を自分の財布のように利用する」という、金融関連の企業では絶対にしてはいけないことを行なっていたことになる。今件が裏付けられたことにより、他の「内部関係者の話」も信ぴょう性をおびてくるが、それらが事実だとすれば、上層部の該当者の責任はきわめて重いものとなるだろう。

金融庁・北海道財務局の行政命令にも関わらず、22日から23日朝現在にいたるまで、エフエックス札幌の公式サイトからはすべてのデータが削除され、一切中身を閲覧できない状態になっている。顧客への周知も満足に行なわない態度は(特に金銭を扱う)企業として問題視されるべきであり、関連官庁には厳しい追及と処罰を望みたいところだ(【このような件もあることではあるし……(Web魚拓記事)】)。


(最終更新:2013/08/18)

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