ヒトラーの「地球儀」がオークションに
2007年10月18日 08:00
【DailyMail】が伝えるところによると、来月アメリカ・サンフランシスコのオークションにおいて、第二次世界大戦のドイツの最高指導者アドルフ・ヒトラーが使用していたと思われる地球儀が競売にかけられることになった。終戦後、アメリカ兵の一人が持ち帰ったもので、専門家の調査によっても「本物」であると鑑定されている。
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この地球儀の持ち主は元アメリカ兵のJohn Barsamian氏(91)。終戦後、当時28歳で准尉だった彼がドイツ南部にあるイーグルズネストこと「鷲の巣」と呼んでいたベルヒテスガーデン(Berchtesgaden)にある要塞に、1945年4月に立ち入った時に手に入れたもの。
地球儀が本物かどうかの真偽性については、当時の軍が彼に「鷲の巣」にあった地球儀を取得することを許可した許可証込みで販売されるが、その許可証や当時撮影された写真についてオークションの代表者Greg Martin氏などが鑑定したところ、本物に間違いないとのこと。「多分この証明書は自分がこれまで見てきた商品の中でもっとも歴史的価値のあるものだ」「写真は当時、鷲の巣要塞内でその地球儀を子どものように抱えていた彼を映し出している。彼こそが歴史的な承継者だ」とまで述べている。
競売にかけられる「ヒトラーの地球儀」。中に秘密文書が隠されていて当時政権の財宝の在り処が……などということはない(笑)
Barsamian氏が「鷲の巣」に入ったとき、他のアメリカ兵はすでに家具から皮をはがすようなレベルにまで内装を奪い去っていた。地球儀以外に、拳銃や短剣などいくつかの装飾品を手に入れた彼は箱詰めし、それを自宅に送り、60年以上そのまま保管していた。その事実についてはごく親しい人以外には誰にも語らず、飾ることもしなかったという。
彼はこの地球儀以外に、ヒトラー自身によってサインされた書類やHermann Goering(党のリーダー)所有の葉巻一箱などを競売にかけるとのこと。元記事では地球儀に対し、7500ポンドから1万ポンド(180万円~240万円)の値段がつくことを望んでいるという。
彼が今回地球儀などを売却することになった理由としては、妻を2004年にがんで失い、自分の余命も間もなく尽きるだろうことを挙げている。自分がまだ生きているうちに(所有そのものを公開して)手放すことで、自分の戦争経験を他人と共有したい、というものだ。
ヒトラーの地球儀といえば『チャップリンの映画『独裁者』』にも登場し、彼の「世界征服」の想いを象徴するものとして知られている。半世紀以上もの時を経て世に現れた「本物の」独裁者の地球儀は、果たして何を現代に伝えるのだろうか。
(最終更新:2013/09/08)
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