今調査は9月25日から27日の間、15～59歳の男性を対象にインターネット経由で行なわれたもので、有効回答数は515人。年齢層比は10代から50代まで各103人ずつ。サンプル数がやや少なめなので、世間の実情とは多少のぶれが生じている可能性がある。

●気になるポイント、全体では脂性や口臭。しかし年齢層別では……

普段感じている身だしなみについての悩みや気になることについての問いには、全体として「顔のテカリ・ベタつき」(脂性)と「口臭」が32.0％ずつでトップを飾った。しかし年齢層別に集計すると、世代毎に抱える悩みの違いが如実に現れる結果となった。

全体と年齢層別の「普段感じている身だしなみについての悩みや気になること」

10代は青春の象徴ともいえる「ニキビ」そしてそのニキビがうまく処理できなかった「ニキビ跡」がトップを飾っている。20代になるとその「ニキビ」もある程度収まるようになり2位に後退し、代わりに脂性特有の傾向ともいえる「顔のテカリ・ベタつき」がトップについている。10代と比較して順位だけでなく得票数でも「ニキビ」と「顔のテカリ・ベタつき」は逆転傾向にあり、成長と共に「ニキビ」は収まるものの、代わって脂性への悩みが強いくなることが分かる。

30代になっても脂性への悩みは尽きないが、「ニキビ」は姿を消し、代わりに「口臭」が上位を占めてくるようになる。臭い系の悩みが伸びを見せ、この傾向は40代になると顕著になる。何しろトップの「体臭」2位の「汗をかきやすい」「汗の臭い」「口臭」と、事実上トップ3はすべて「臭い」に関する悩み。世間一般に若年層から忌み嫌われることの多い「オヤジ臭」に対し、当人たちも非常に気にしていることがうかがえる。

さらに50代になるとそれ以上に気になってくるのは毛髪。40代ではじめてトップ10に入った「頭髪の薄毛」が50代では「口臭」を抜いてトップについている。「ニキビ」の件もあるが、何よりはまず見た目を大事に、と考えているからかもしれない。

●身だしなみを良くする理由、若者・未婚ほど「他人(特に女性)を意識」

それではなぜ身だしなみにおいて「清潔感」を重視するのか。「重視する」派454人にその理由を尋ねたところ、全体としては「自分自身が気になるから」がもっとも多く70.9％を占めた。

「清潔感」を重視する理由

今件について年齢層・既婚未婚の別にデータを分類すると、面白い傾向が見られる。年齢を問わず「自分自身が気になるから」と回答する人は一定以上いる一方で、「女性に嫌われないため」「友人、同僚を意識して」「女性に好かれたいから」と、他人(特に女性)に対する心境を良くするために「清潔感」を重視する人は若年層ほど多い。さらにこれらの項目では既婚者よりも未婚者の方が回答率が高い結果が出ている(「特定の女性を意識して」の項目ではとりわけその傾向が強い)。

つまり極論として「男性は自分のパートナーを見つける、あるいは出会いを期待するために身だしなみにおいて『清潔感』を重視する傾向にある」ということになる。女性に好かれたい男性が自分自身に関心を集めさせるために行なうさまざまな行為を「男を磨く」と表現する場合もあるが、まさにこの言葉の直接的な表現通り「男を磨いて」きれいにすることが、女性を意識した心境によるものだということが分かる。……データ分析から改めて表現すると身もふたもないような気もするが(笑)。

動物が派手な格好をしたり妙な踊りをするのは、異性に対する求愛行動である場合が多い。それは人間においても変わるところがない。生活上の必然性や自身の性格、健康上の理由から身だしなみを整える場合も多いが、やはり世の男性においても根本の部分は他の動物とあまり変わるところがない、ということなのだろう。

今調査結果は男性のみを対象としていて、女性に関するデータは公開されていない。項目を同じくして問うわけにはいかないが、女性に対する同様の調査結果を見てみたいものだ。