「素早い動き」「ゆっくりな動き」脳内では別々の場所で判断

2007年10月16日 08:00

医療イメージ独立行政法人理化学研究所は10月15日、人間の脳において「ゆっくり動く変化」「素早く動く変化」それぞれについて、別々の部位で処理をしているのを突き止めたことを明らかにした。人間の脳のメカニズムを部位レベルで解明する手がかりになるだけでなく、各種疾患の治療法の開発につながる可能性もあるとして期待を集めている(【発表リリース】)。

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リリースによると人間の脳では映像情報などを大脳皮質で処理しているが、スピード感を把握するために必要な「時間」の概念を判別する仕組みはこれまで判明していなかった。研究チームでは脳内活動を外部から調べることができる機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を改良した上で、被験者に白黒のチェッカーボードを高速・低速で反転させた物を見せて観察。その結果、人間の脳の中において視覚情報に含まれる高速な変化と遅い変化が、別々の部位で行なわれていることを突き止めた。

動物の本能として「車の運転中、突然現れた障害物を避ける」「ふいに目の前に飛んできたボールを避ける」など、視覚の変化として自分に何か影響を与えるものを察知し、それに対して素早い行動を決定することが必要である(もしその「本能」が無ければ自動車事故は今まで以上に多発し、野球もドッジボールも出来なくなる)。「ゆっくり動く変化」「素早く動く変化」それぞれが別の脳内部位で行なわれていることは、後者における専門化された仕組み(危険回避能力)が存在していることを表すものとリリースでは説明している。

「脳内領域によって『判断されている・思考されている対象が異なる』」という結論だがは、今リリースでは今後の研究において人間の高度な脳の活動のメカニズムを知ること、そして治療法の開発に役立つのではないかとまとめられている。

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