地震が近づくとカウントダウンで教えてくれる家
2007年10月15日 06:30
先に【緊急地震速報のマークが決定・一般公開】などでもお伝えしたが、10月1日から緊急地震速報の制度がスタートした。この制度は一言でまとめると「気象庁などのデータを元に地震の震源から離れた場所において、地震の到来を知らせる情報を民間ベースでも受信・活用できる」というもの。この制度のスタートと共にさまざまなサービスがスタートしているが、少々気になる商品(!?)を見つけたのでここに紹介。それは【三洋ホームズ】(三洋グループ)が9月19日に発表した【EQVoice】というシステム。ことちらも一言でまとめると「速報が出た時に住宅自身が住宅内にいる住民にその内容をアナウンスしてくれる」というものだ。もっとシンプルにまとめると「地震が来る時にカウントダウンで教えてくれる家」。色々な意味で科学の進歩を実感できそうな感じである。
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発表当時の【プレスリリースはこちら(PDF)】。三階建て住宅に標準採用するシステムとして、振動を抑える制震システム「SanDouble-X(サンダブルエックス)」と共に発表された。ちなみにこの「サンダブルエックス」とは、ゴムとフレームの活用で揺れを最大で3割ほど低減するというもの。
肝心の「EQvoice」は正式な説明文によれば”カウントダウン方式によるビルトイン型緊急地震速報システム「EQvoice(イーキューボイス)」”と呼ぶ。システムは天井に収まるスピーカーの形状をしており、速報が流れると同時に(夜間でも即時対応ができるよう)点灯が照明するシステム(オプションで実現)を採用。さらに携帯電話と連動して外出中の家族や親戚などと連絡が取れる「コールボタン」にも対応している。
公式サイトにおける「EQvoice」システム概要図
図を見ればお分かりの通り、速報そのものは気象庁・三洋ホームズの配信サーバー経由で住宅内に伝えられる。そして住宅内の中央管理を行なう「壁付けコントローラー」などが音声ガイダンスや警報音、LEDの点灯などで知らせてくれる。
・防犯センサーとの連動
・コールボタンによる通知
この他にも同システムを利用して防犯用センサーと連動して不法侵入者があった場合、あるいは特定箇所においてコールボタンが押された場合(お年寄りがいる家庭などで活用)に、住宅内で警告を発したり指定したメールアドレス(主に携帯電話)へメールを送信するなどの仕組みを用いることができる。
公式サイトには実際に、「EQvoice」上で流れる地震警告の際の音声データを聞くことができる。到来まで10秒を切ると「10、9、8、7、6、……」とカウントダウンするあたりは緊迫感があるもので、(単なる音声だけなのにも関わらず)ついドキドキしてしまう。なおシステム上は初期設定として震度3以上の場合にアナウンスされるが、設定を個別に変更することもできるという。
「SanDouble-X(サンダブルエックス)」がハード面で住宅と住民を地震から守るものなら、「EQvoice(イーキューボイス)」はソフトの面から守るもの。まさにソフト・ハード両面で人と家を守ろうというあたり、家電メーカーの三洋電機の系列会社らしさを感じてしまう。
多くの人は自分が住む住宅を何軒も建て替える機会はなく、一度建てた家と一生お付き合いしていくことになる。どのみち生涯お世話になるものなら、これからの生活の中で遭遇するかもしれない地震への備えが少しでも整っていたほうが、安心度が増すというもの。おそらく今後似たようなシステムを提供する住宅メーカーが続々登場すると思われるが、先陣を切った「EQvoice」のことを頭のスミに入れておくことは決して損な話ではないだろう。
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(最終更新:2013/08/19)
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