アマゾンで商品ごとの掲示板「この商品について語る」試験運用開始
2007年10月13日 12:00
先に【薬品無しで殺菌効果に殺虫効果・銅の不思議な効用】の記事を執筆している際に気が付いたのだが、アマゾンジャパンでも各商品毎に気軽に意見を交わす擬似掲示板サービスが、試験運用の段階ではあるがスタートしていた。そのサービス名は「この商品について語る」。本家アマゾン(アメリカ)などではすでに導入されているサービスである。
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アマゾンジャパンにおける、各商品に対する利用者の意見を反映させる機会はすでに昔から「ユーザーズレビュー」が存在していた。かつては「管理側が内容をチェックして投稿から数日で掲載」「各商品において最初にレビューを投稿した人の中から毎週抽選で何名かにアマゾンギフトポイントをプレゼント」などの特徴があったが、今ではプレゼント企画は無くなり、レビューも投稿直後にサイト上に反映されるようになった(もちろん内部チェックはしているようだ)。
また、【街並みコレクション 第6弾 甲州街道編】の記事執筆後に記事で利用した写真を『用いている事例』を見ればお分かりのように、実際に購入したお客からの写真の投稿も受け付けている(【アマゾンで商品のイメージ投稿機能スタート】)。
そしてこのたび試験導入が行なわれたのが、各商品をテーマにそれぞれの商品毎にコミュニティをつくり、自由に意見を述べてもらおうという「この商品について語る」機能。具体的には各商品毎に議題となるトピックスを立てて、そのトピックスに対する返事(レス)も自由に書き込めるというもの。もちろん無記名投稿ではなく、各アマゾンIDでひも付けがされており、投稿内容には「誰が書いたのか」が一目で分かるようになっている。
書きかたはごく普通の掲示板、あるいはQ&A形式のスレッド型掲示板に近い。
投稿形式はタイトルと本文を書き込みという、普通の掲示板と同じスタイル。その書き込みに対する返事も似たような形式で行なう。
商品に対する「この商品について語る」一覧を掲載。どのような論議や質問が交わされているかが分かる。
説明によるとこの機能は「Amazon.co.jp で購入できる商品について、お客様同士で質問したり、意見交換ができる機能です。他のお客様の感想を読んだり、商品比較をチェックしたり、複数のお客様との意見交換を通じて、Amazon.co.jp でのお買い物にお役立てください」と説明されている。書き込みできる内容は主に「質問」「比較」「似たような商品の購入をした人からの意見」「アドバイス」「経験の共有」「商品に関する情報交換」などを行なうとのこと。要は該当商品に関する多種多様な雑談掲示板(兼質問掲示板)である。
もちろん「してはいけないこと」も多数規定されているので注意が必要。自前のアマゾンIDでログインした上での書き込みなので、問題のある行為を繰り返すとIDそのものへのペナルティが課せられる可能性もある。また、この掲示板に書き込みをしても「トップレビュワーランキング」には何の影響も及ぼさない。
いわば「この商品について語る」によって、アマゾンジャパンでは商品単位のCGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)やソーシャルブックマークシステムの機能を導入したことになる。正直、これはインパクトが強い。各商品のトピックス(「この商品について語る」の書き込み)からはRSSフィードも得られるので、自分が気になる商品のRSSフィードを取得し、意見をリアルタイムでチェックすることまで出来てしまう。あとはブログパーツなりが提供されれば、もうお手上げである(笑)。
日本ではまだ試験導入が始まったばかりなので一部のジャンル(今回確認した『アクアスプラッシュ 純銅 三角コーナーザル ミニ H-9187』など「ホーム&キッチン」コーナー)のみに限定されているようだが、先行導入されているアメリカではもっと多数のジャンルで展開が行なわれている。掲示板での意見のやり取りは趣味趣向性の強いジャンル、例えばゲームやアニメ、漫画などで活性化する傾向があるが、本家アメリカアマゾンでもその通りで、ゲーム系ジャンルの商品では活発な意見が交わされている(『写真の具体例はアメリカ版の『Halo3』』)。
先日発売されたXbox360の『Halo3』における、アメリカアマゾンでの「この商品について語る」。ちょっとした掲示板なみの盛り上がり。
アメリカアマゾンの機能で興味深いのは「関連する別商品のフォーラム」も表示されること。「気になる商品」「関連する商品」同様に目を引くものがある。
アメリカアマゾンでは該当商品の「この商品について語る」(あちらでは「Customer Discussions」という名前)だけでなく、関連する商品における活発な意見が交わされているフォーラム(掲示板)も合わせて表示される。利用者の目をひきつける、にくい演出である。
本家アメリカのアマゾンではCGM化をさらに推し進めているようで、利用者の「ユーザーレビュー」の表示枠を大きくして多数の紹介文を商品ページトップに掲載したり(ニ段組にしている)、レビュー全体の配点割合を段階別に一覧化し、投票分布が一目で分かるような仕組みを導入している。さらにブログやソーシャルブックマークなどではすでに導入されている、その商品やページに関連するキーワードをひも付ける「タグ」システムも導入されているのが分かる。過去の事例から見て、これらの仕組みも遠からずのうちにアマゾンジャパンにも導入されることだろう。
「この商品について語る」そのものの見易さや関連付け・リスト化による把握のしやすさなど、改良すべき点は多い。すでにRSSフィードの提供は行なわれているが、APIなどでさらに積極的なデータ提供を行なえば、「この商品について語る」のコメントそのものを掲示板のように展開して見せるスクリプト、あるいはASPサービスも登場するだろう。
単に商品をネット上で購入できるだけでなく、さまざまなサービスを提供することで相乗効果を生み出そうとしているアマゾン。これからどのようなサービスを展開し、驚かせてくれるのか、今後が楽しみである。
(最終更新:2013/09/08)
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