記事によると北里大学医学部と【日本銅センター】が共同で、病院内での院内感染予防のために、銅の殺菌効果を検証。すると銅が院内環境において細菌汚染を軽減させていることが明らかになったという。

研究のリーダーである北里大医学部の笹原武志講師によると、細菌がよく繁殖する台所の三角コーナーや排水口のバスケットを銅製にするだけでも衛生環境は大幅に改善。たらいややかん、急須などの日用雑貨にも有益。そのような備品にわざわざ買い買えるまでもないという人も、例えば台所の三角コーナーの底に5円玉・10円玉を数枚置くだけで殺菌効果が期待できるとのこと。

銅の殺菌効果は【日本銅センターの専門ページ】によると、すでにレジオネラ菌やO-157、クリプトスポリジウムなどに対して有効であるとの検証が行われ、給水管などにおいてその抗菌特性が活用できるとしている。

ここまで調べて思い出したのが、先に【10円玉が蚊撃退の特効薬に!? 銅イオンに殺菌・殺虫効果】でお伝えした「銅による防虫効果」。墓地の花入れに10円玉を入れておくと蚊がわかないという言い伝えを元に研究をしたところ、実際にその効果が確認されている。水に浸すことで銅から発生する銅イオンが作用しているらしいが、これがまさに各種殺菌効果と同様の「衛生管理にぴったりな効果」をもたらしているようだ。

銅製品は環境次第ですぐに黒ずんでしまうので、放置してもかまわないモノ以外ではこまめなメンテナンスが必要となる。とはいえ、本体自身が殺菌効果を持つのなら、これほど便利なものはない(何もしなくとも衛生環境が改善されるのだから)。プラスチックスやステンレス製と比べると割高な銅製品だが、その効果を考えると案外「使える」アイテムなのかもしれない。

(最終更新:2013/08/19)