ジャスダック、セタを監理ポストに割当て・親会社アルゼが完全子会社化を決定

2007年10月04日 08:00

ジャスダック証券取引所は10月2日、【セタ(4670)】を監理ポストに割り当てることを発表した(【発表リリース、PDF】)。2007年3月期において売上高に関する不適切な会計処理が判明、この訂正内容によっては株式上場廃止基準に該当するため。またこれを受けて親会社の【アルゼ(6425)】は10月3日、セタを100%完全子会社化する方針を発表した(【発表リリース、PDF】)。

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セタ内での不適切な会計処理は【アルゼ側リリース(PDF)】に詳細があるが、元専務取締役の指示・命令とそれを積極的に容認した元代表取締役の行為で、未確定受注取引が実際に取引されたものとして売上高に計上されていた(書類の偽造・改ざんも行なわれた)。現在のところ8億円程度がこの「不適切売上」とされている。

元々グループ事業の再編を進めていたアルゼ側だったが、今件を受けて独立性を保ちながら経営体質の改善を図るのは困難であるとし、体制の抜本的な改革を図るため、セタの完全子会社化を決定したと説明している。またセタ側も今回のアルゼの決定に賛同する方針を明らかにしている。

子会社化の時期や方法については、セタが有価証券報告書の訂正を終えた後に決定し、発表する予定であるとしている。

セタはかつて『スーパーリアル麻雀』などボードゲーム系のゲームソフトを多数輩出していたが、現在はアルゼの子会社として遊技場の機器関連メーカーとして業務を続けている。会社の沿革でも2001年を最後に新作ゲームソフトを発売した表記は無く、主な事業内容からも家庭用ゲーム機に関する言及がなくなっている。そして先日【セタの新社長にゲームアナリストの平林久和氏が就任】でも報じたように、一連の不祥事を受けて新しい代表取締役社長にゲームアナリストの平林久和氏が選ばれたばかりであった。

パチンコ業界の厳しさは漏れ伝わっている。アルゼ側も当初の調査結果でなら平林氏で乗り切れると判断し、セタの新社長就任に期待をかけていたのだろう。しかし改ざんされた売上が当初予定の3億3000万円から2倍以上の8億円に達することが明らかになったこと、そしてなによりこの額の大きさによってジャスダックから監理ポストを指定されたことが、アルゼをして「セタを完全子会社化して再編するしかない」と判断させたと思われる。

合併の時期や合併方法(株式の交換によるものとなるだろうが……)などは今後決定される。正式発表まで、株主はもちろん投資家らの思惑による売買が行なわれるに違いない。ちなみに10月3日のPTS(夜間取引)では昼間の終値180円に対し、205円まで買値が入っていたものの売り物が出ず、売買は成立していない。


(最終更新:2013/08/19)

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