乱高下が続いた今夏の東京株式市場・イメージする漢字は「滝」
2007年10月01日 06:30
【今夏の株式市場を漢字一文字で表すと!? アンケート開始】でもお伝えしたように8月18日に開始した、「今夏の株式市場(の動向)を漢字一文字で表すと、どの漢字がぴったりくるか」アンケートが9月30日でひとまず締め切られ、もっとも多い漢字として「滝」が選ばれた。
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今回の株価急落はアメリカのサブプライムローン問題に始まる金融市場の信用不安をはじめとしたさまざまな要因を元にした、主に外資系ファンドの日本株投売りが原因のもよう。パニック売りに近い状態で売り込まれ、アメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)は8月17日に公定歩合を緊急に0.50%引き下げ5.75%とし、金融市場の混乱に断固として対処する姿勢を見せた。
この利下げに反応する形で、アメリカの同日の市場は大幅に反発。その後は一進一退を繰り返しながらもみあいを続けている。一説には来年末まで「サブプライムローン」の影響は続くという話もあり、市場全体の信用収縮とあわせ、市場の不安定感を助長させ上値を抑える最大の要因となっている。
8月17日一日の日経平均の値動き。
今回行なわれたアンケートの総得票数は53票。意外に少なかったのが少々残念。そもそも市場展開にあまり興味関心の無い読者は投票しなかったからなのだろう。
「滝」……12票
「乱」……9票
「損」……7票
「激」……5票
「縮」……4票
「米」「歩」「罠」「崩」……各2票
「嵐」「恐」「壊」「絶」「暗」「狂」「迷」「下」……各1票
もっとも多い票を得たのは「滝」で12票。8月17日前後の株価を表すチャートがまさに「滝のような」下り坂を描いていたからくるもので、各投資家の心理状況と実際の株価を重ね合わせてイメージできる、実に適切な一文字といえるだろう。
第二位の「乱」も「滝」同様に、急落以降の乱高下した株式市場そのものと投資家心理を如実に表した文字として的を射ているといえる。一方第三位の「損」は、より率直にこの相場展開で損失を被った投資家の心理を表している。
「米」は恐らくアメリカを端に発したからという意味、「罠」は以前から指摘されてきたサブプライムローン問題が一挙にふき出したことや、じわじわと上昇を続けてきた株価が一挙に急落したありさまを見て「孔明の誰かの罠に違いない」と感じたからだろう。その他「激」「縮」「崩」など、どちらかといえば否定的なイメージを頭に思い浮かばせる漢字が連なっている。
今日から10月に入り、第4四半期がスタートする。民営化した郵政公社こと日本郵政株式会社などによる年金運用での買いが期待される一方、サブプライムローンによる信用縮小はまだ収まりそうにもなく、不安定要素が大きいのは否定できない。
再び同様のアンケートを設置する必要に迫られるような相場の急展開がないよう、今は心から祈るしかない。
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