携帯のGPS機能、保有率は4割を超えるが利用率は1割未満
2007年10月20日 12:00
【Webマーケティングガイド】が10月17日に発表した調査結果によると、GPS機能を搭載した携帯電話の保有率は4割を超えているものの、実際にその機能を毎日利用している人は1割にも満たないことが明らかになった。アイディア次第で多種多様に活用できるGPS機能ではあるが、現在のところは暗中模索の感が強いことがうかがえる(【発表リリース】)。
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今調査は10月4日から5日の間、携帯電話経由で行なわれたもので対象者は15歳から49歳の男女311人。キャリア比はドコモ54.7%、au32.8%、ソフトバンクモバイル12.5%。
GPSとは グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)の略称で、一言でまとめると「衛星データを用いて対象者が地球上のどの場所にいるのかが分かる仕組み」。日本の携帯電話については、警察や消防署が緊急通知を受けた際にその携帯電話の持ち主がどこにいるのかを把握できるよう、2007年4月以降に発売される機種にはGPS機能の搭載が義務付けられている。
●保有率4割、特にauが高い
手持ちの携帯電話にGPSが搭載されているかたずねたところ、「搭載されている」と回答した人は4割を超えていた。
■あなたの携帯電話にGPS機能は搭載されている?
・されている……44.1%
・されていない……39.5%
・分からない……16.4%
気になるのは「分からない」と答えた人が16.4%もいること。自分の携帯電話の機能すべてを完全に覚えている人など稀有な存在だろうが、「取り分けしっかりと覚えておくべき機能ではない」という認識から、改めて搭載されているかを確認したことすら無い人も多いのかもしれない。「GPS機能を持っている」と答えた人は44.1%だったものの、「分からない」人の携帯電話の相当数が機能を持っているだろうことを考えると、実際には過半数を超えているかもしれない。
上記問いをキャリア別にたずねて見ると、非常に片寄った傾向が見られた。
キャリア別GPS機能搭載の有無
ドコモ、ソフトバンクモバイルは2割前後が「搭載されている」でほぼ同傾向にあるものの、auだけが8割以上「搭載されている」と答えている。これはauだけの特殊事情が影響している。
auでは2002年にGPSを搭載した機種を発売してから積極的にその機能を活用したキャンペーンを展開すると共に、GPS機能搭載機種を多数発売している。また、GPSを利用した位置情報管理サービス「GPS MAP」の提供もすでに2002年7月からスタートしている。GPS機能に早期から、そして真正面から取り組んだauだからこそ、8割以上の普及率を得ているのだろう。
●GPS機能「毎日利用」は6%足らず、「利用したことがない」も3割超え
法律により搭載が義務付けられ、今後飛躍的に普及率が高まるであろうGPS機能。それでは実際にGPS機能を持つ携帯電話を保有している人は、どれくらいの頻度で活用しているのだろうか。回答は意外にも「あまり利用されていない」というものだった。
携帯電話のGPS機能の利用頻度
GPS機能は、積極的に使う状況を想像するのは難しい。むしろ何らかの必要に迫られて「そういえばGPS機能が使えるな」と思い出して使うパターンが多いはず。とはいえ、一か月に一度も利用していない人が3割近く、使用そのものの経験がない人が35%もいるというのは、少々寂しいお話。他の多数の機能同様「埋もれた機能」の一つとして数え上げられてしまっているのかもしれない。
一方でGPS機能を利用している人にそのサービス内容を尋ねたところ、「現在地表示サービス」「ルート案内サービス」などが上位を占める結果となった。
携帯電話のGPS機能でどのようなサービスを利用しているか
「現在地表示サービス」「ルート案内サービス」「周辺情報サービス」などはGPS機能を用いた基本中の基本のサービスであり、それらを使っている人が多数に及んでいることが分かる。逆にいうと、基本サービス以外の活用の浸透はまだまだであるようだ。しかしこれは「サービスがあるのに使わない」のではなく、GPS機能を用いたサービス数がまだ限定的であることが最大の要因なのだろう。
法令によってGPS機能の搭載が義務付けられた以上、今後GPS機能搭載の携帯電話普及率は急速に上昇していく。保有者の現在位置というきわめてプライベート・パーソナリティの高いデータを扱うには細心の注意が必要となるが、それらの留意点を認識した上で、今後さまざまな利用方法を提案したサービスが登場するだろう。
例えばリリースにもあるような「現在位置に連動した広告配信サービス」が良い例だ。また、観光地では専用サイトにアクセスしておくと、随時その場所にマッチした観光案内やガイダンスが表示(あるいは音声案内)されるような「モバイルガイド」のサービス提供もできるはず(観光旅行客にはそのサービスサイトへのアクセスをうながすだけで良い)。
自由で発想力豊かなアイディアによる、GPS機能を活用したサービスの登場を心待ちにしたいところだ。
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