「Glep」は2005年10月20日、当時の明響社とアクトが共同して設立した総合ゲームポータルサイト。詳細は【明響社(7633)とアクト、総合ゲームポータル「GLEP」を10月20日に開設】で説明されているが、ゲームソフトの販売事業のサポート・通信販売に留まらず、新作・中古ソフトなどの家庭用ゲームソフトの情報、イベント情報の提供、さらにはネットワーク上のコミュニティを形成するポータルサイトとしてスタートした。

後に明響社とアクトが2006年2月1日に合併しNESTAGEとなり、Glepの運営を引き継いで現在に至っていた。後に中古の買い取りや価格変動チャートの掲載、再販リクエスト集計プロジェクトなども立ち上げコンテンツの充実を図っていた(【NESTAGE(7633)運営のGlepで中古買取と価格変動チャート掲載開始、再販プロジェクトも立ち上げ】)。

10月30日現在の「Glep」のトップページ

リリースによれば「Glep」事業の廃止の理由について、「会員数、売上ともに当初の計画に届かず早急な収益改善の見通しは厳しいと判断」と説明している。

具体的な「Glep」のアクセス数などは公開されなかったが、事業単位での経営成績は発表されている。

今回も含めこれまで「Glep」内部の経営成績詳細が決算発表資料においても公開されていないので原因は不明だが、今年に入って急速に収益率が悪化していることが分かる(なおリリースから、Glep事業に携わっていたスタッフは3名であることが判明している)。

ゲームに関するさまざまな情報を海外のCGM(Consumer Generated Media、利用者が内容を創って行くメディアのこと)ライクに展開し、さらに中古の価格変動をチャート形式で掲載するなどさまざまな試みをしたのは注目に値したが、なにぶんにも知名度が低く集客力が今ひとつだったのが、「Glep」が伸び悩んだ原因だと思われる。

また、ゲームの通販や意見交換については、通販の大手ポータルサイトが運営する「アマゾンジャパン」「ヤフーショッピング」「楽天市場」などに客を奪われてしまったのも敗因といえよう。

「Glep」に対しては、「発想は良かっただけにもう一ひねりあればあるいは……」という想いが当方(不破)にはある。戦略の大規模な変更やサイトの状況(賑わい振りなど)を見る限り「厳しいかな」という雰囲気はあり、運営会社NESTAGEそのものの経営状態が悪化しているのは理解していたが、いざ実際に「事業廃止(ポータルサイトそのものの閉鎖)」という現実を目の当たりにすると、一抹の寂しさを感じずにはいられない。

(最終更新:2013/08/18)