ケータイ上から本物の年賀状が贈れるサービス、auでスタート
2007年10月19日 06:30
【KDDI(9433)】と【沖縄セルラー(9436)】、【サミーネットワークス(3745)】は10月18日、auの携帯電話上で作ったはがきをそのまま郵送できるサービス「EZ ケータイPOST」を開始すると発表した。第一弾として11月29日から「EZ ケータイPOST de 年賀状」をスタートするとのこと(【発表リリース】)。
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「EZ ケータイPOST」は携帯電話というデジタル上のツールと、はがき(年賀状)という現実のツールを融合した新しいサービス。携帯電話上に用意された素材を組み合わせて自分で文字を付け加えて入力して送信すると、相手にはそのデータを元にした「本物の」はがきが届くというもの。
「EZ ケータイPOST」作成の流れ。
一言で例えると「ネット上のサービスでよく見かける年賀状など『ギフトカードサービス』と同じ要領で『本物の』はがきを贈れるサービス」ということになる。自分で撮影した写真データも利用できるのがポイント。
興味深いのはこの「EZ ケータイPOST」では、贈り先の住所などを知らなくても電子メールアドレスさえ確認できれば「はがき」を贈れること。この場合相手には電子メールで「住所などのデータを入力する」よううながすメールが届き、そのメールにあるURLから入力フォームで住所を入力することで、(贈り元には住所データなどを知らせずに)現物のはがきを受け取れる。
電子メールアドレスしか知らなくとも「はがき」を贈れる。この場合相手には住所入力をうながすフォームへのリンクが記述されたメールが届く。
気になる料金は、年賀状の作成そのものは無料。住所やメールアドレスから送信して現物のはがきを贈るのは1枚150円(税込み、はがき代含む)からとなる。また、送信したデータなどを登録して保管することも可能だが、この場合月額100円(税別)の料金が徴収される。
リリースをよく読むと1枚あたりの金額に「有償のテンプレートを選択した場合は、テンプレート代(1枚につき)が加算されます」という表記がある。ネットゲームやポータルサイトでよく見かける「有料オプション付きのアバターシステム」と同じように、無料でもそれなりのものは出来るが派手なものやセンスあふれるもの、有名ブラントや作家によるテンプレートは課金を行なうシステムを採用するのだろう。
かつてはカラープリンタの低価格化や普及を促進した年賀状ではあるが、最近では現物のはがきを用いた年賀状すら用いず、パソコン上のギフトカードシステムやHTMLメール、さらには携帯電話上のメールで「お年賀」を済まし、年賀状が敬遠される傾向にある。今回のサービスは民営化した郵便事業が「はがき」の巻き返しをはかるため、新興勢力ともいえる携帯電話と手を結び、利用促進を図ったと表現できるだろう。
「相手の住所を知らなくとも実物のはがきを贈れる」というアイディア賞ものの機能もあるが、基本的にはこれまでの「ギフトカードサービス」とさほど変わるところはない。携帯電話世代にどこまで「実物のはがき」を贈るサービスの良さを訴えることができるのか、単に「便利だよ」とその機能性をアピールするのはもちろんだが、何かもう一ひねり利用をうながす仕組みが必要かもしれない。
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