今調査は8月23日から27日までの間、インターネット経由で16歳から69歳までの男女に対して行なわれたもので、有効回収数は5310人。年齢層、男女別の詳細な回答階層については公開されていない。

●利用時間帯のピークは「テレビ・パソコン」が21時、「新聞」が7時台

平日と休日では生活リズムが異なるため、それぞれについて「テレビ」「パソコン」「新聞」の利用状況をたずねたところ、次のような結果が出た。

平日の「テレビ」「パソコン」「新聞」の利用状況

休日の「テレビ」「パソコン」「新聞」の利用状況

これらのデータから次のような傾向が分かる。

平日の昼間に「パソコン」の利用率がさほど下がらないのは仕事に利用しているから、というのが主な理由だろう。夕食後になると仕事で使う以外に学生などが自分の自由時間で使う機会も増えてくるため、利用状況がグンと跳ね上がる。

また、特に夕食以降の時間帯で「パソコン」「テレビ」の類似性が顕著なのが分かる。「新聞」を見ながら「パソコン」や「テレビ」を利用するのは難しいが、「パソコン」と「テレビ」はお互いに一方を利用しながら他方をも「チラ見」するのは比較的容易なお話。それぞれ別に利用しているというより、両者を同時に利用している可能性が高い。

●「テレビとパソコンを同時利用」は35.4％

「テレビとパソコンのながら族」的な利用という仮設を裏付けるのが次のデータ。平日21時に「テレビ」「パソコン」「新聞」3メディアにおいて「それぞれ単独か、それとも他のメディアを並列して利用しているか」という問いをしたところ、「パソコンとテレビを並列使用している」と答えた人は全体の35.4％に登っている。

平日21時において「テレビ」「パソコン」「新聞」3メディアを「それぞれ単独か、それとも他のメディアを並列して利用しているか」

どちらをメインとしているかはともかく、「テレビを見ながらパソコンを利用している」人の数がかなり多いことが分かる。一方他メディア同士の組み合わせ、というより「新聞」が絡んだ組み合わせはいずれも5％にも満たず、「新聞」は「テレビ」や「パソコン」との並列利用は難しいことが改めて理解できる。

先の【「新聞没落」などの記事】にもあるように、現在新聞はその購読者数を大きく減らしている。またテレビも視聴率の低下やコマーシャルの影響力低下に頭を痛めている。その大きな要因がインターネットの存在。要は購読者のお財布の中身や時間を、インターネットに「食われている」のである。今回の調査では「パソコン」(の利用の大部分はインターネットだろう)が対象で携帯電話は含まれていないが、それですら新聞の影響力の低下がうかがえる(朝方以外はほとんど読まれていない)。

一方、携帯電話はともかくパソコン上のインターネット操作とテレビとの間には、比較的相性が良いことが想像できる。さらに【新聞とテレビ、相互に好影響を与える関係に】にもあるように、テレビと新聞は非常に相性が良いことが調査から明らかになっている。

最近はテレビも新聞もインターネットを何かにつけて敵視する傾向があるが、意固地にならずに「テレビとパソコンの相性の良さ」を利用し、その効果を「新聞」にも波及させるような仕組みを考えた方が建設的といえよう。