【更新】9月度の外食産業の売り上げは前年同月比でプラス6.4%・客足、客単価共にプラスへ
2007年10月25日 19:35
日本フードサービス協会は10月24日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2007年9月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でプラス6.4%となり大きく伸びたことが明らかになった。曜日のめぐりで土日が昨年寄り1日多く、休日を利用した来店客が多かったことが売上アップに寄与した。一方、居酒屋やパブなどは苦戦の様相が見て取れる([発表リリース])。
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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が143、店舗数は27473店舗(既存店はそれぞれ140、23283)。
全業態すべてを合わせた9月度売り上げ状況は、前年同月比で106.4%と前年を6.4%と大幅に上回る結果となった。業態別ではファストフード業態が堅調でいずれのジャンルも1割前後の伸び。ファミリーレストランも洋食・和食は伸びている。客単価も全体で0.7%とわずかだが前年同月比で上回り、客数の大幅増加(5.7%)がそれを後押し、売上高の大幅増加につながった。
客数が5%以上の大きな伸びを見せたのは、前半に台風があったものの残暑が続き、かつ土日が昨年より多かったことが原因。昨月はファーストフードの中でも和風の店舗の売上高が著しいかったものの、今月はすべてのジャンルでプラスが出ている。
一方で先月同様にファミレスの王道ともいえる中華・焼き肉共に売上高で前年同月比マイナスを示している。客単価・店舗数の変化以上に売上高が落ちていることもあわせ、客そのものが減っているのが大きな要因。ただ中華の場合は客数が増えているものの客単価が大きくオチ、結果として売上が減っているのが興味深い。また、残暑でニーズが増えそうではあるが、パブやビアホールの客数が減っているのも気になる。
全店データ(既存店、新店合わせて)
既存店のみで集計すると売上高は前年同月比で103.1%、客単価は100.5%。今月の売り上げ高増は新規展開店舗の飛躍が大きく貢献していたものの、既存店も奮闘していたことが分かる。特に、曜日のめぐりとはあまり関係のない客単価が上がっているのが嬉しいところ。
→焼き肉は外食スタイルの変化
中華は食材問題が原因か
ここ数か月のデータを見る限り、最近の外食トレンドは「中華や焼き肉などのファミレス」から、お手軽に楽しめる「ファーストフード」、特に和食に移りつつあるようだ。今月もファーストフードの中では和食がもっとも大きな数字を出している。今データでは区分していないが、「ファーストフード」には店舗内で食べるタイプとテイクアウト(俗にいう「中食」向けの総菜屋)が含まれる。「ファーストフード」の躍進が著しいのは、実は「中食」の浸透が進んでいるからなのだろう。
季節が冬に移り変わり、外食を利用するお客と店舗を取り巻く環境が変化した時、お客の流れがどのように変わるのか、注目したいところだ。
(最終更新:2013/08/18)
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