投資指数は急落…野村證券(8604)、2007年9月計測分の個人投資家動向を発表

2007年10月07日 12:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は10月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2007年9月発表分、PDF】)。取引をひかえる動きは先月同様だが、先行きにはやや明るさも見受けられる結果となった。

スポンサードリンク

今調査は1000件を対象に9月21日から25日に行われたもので、男女比は66.5対33.5。年齢層は40歳代がもっとも多く32.0%、ついで30歳代が30.1%、50歳代が19.3%。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.6%、ついで200万円未満が20.4%、500万円~1000万円が19.8%と続いている。

1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く21.7%を占めている。次いで6か月から1年未満が19.5%、1年から2年未満が17.3%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く47.8%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が27.0%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わらない

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は急落。
・株式取引では回数を減らす動きが進む。しかし今後においては活発化する兆しも。
・市場心理は先月よりは前向きな見方。
・魅力的な業種は「資源関係」がトップ。「素材関係」から8か月ぶりにトップが入れ替わる。
・政治情勢の変化にはマイナスの見方が多い。


という形に。8月の「大急落」の影響が市場心理に大きな影響を与えている一方、政治情勢も軽視できぬ要素として存在しているようである。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、先月から引き続きトップ・二位には変化がないものの、【ソニー(6758)】が再びトップ5内にランクインしている。同社株価がやや商品展開や為替に左右されるところが大きいところをのぞけば、上位陣は皆国際的あるいは重厚長大な「大型鉄板銘柄」といえる。市場が不安定な時期にはこのような銘柄が人気を集めるということなのだろうか。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[任天堂(7974)]
3位……【ソニー(6758)】
4位……【東京電力(9501)】
5位……【新日本製鉄(5401)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることであり、それだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。上位であろうと得票差にはさほど違いがなく、誤差の範囲で順位が変動する可能性はある。が、トップの[トヨタ自動車(7203)]は相変わらず株価自身が青天井であっても二位以下に倍以上の差をつけてその座を維持しており、「何はともかくまずトヨタ」という人が多いことがうかがえる。この傾向はここ数か月変わるところがなく、同社の知名度・人気度の高さが分かる。当アンケートが比較的投資経験が長く、投資に関して重視する点で「安定した利益成長」を挙げている人が多いこともその理由の一つだろう。

8月の「サブプライムローン急落」からようやく東京市場は立ち直りを見せつつあるが、問題の根本的なところは未解決のまま先延ばしをしただけだという説もある。政治情勢は不安定なままで、その状況が国策そのものを揺るがしつつある状況も見受けられる。今後の市場展開はいくもの爆弾を抱えながら、じわりじわりと上昇していくことになるのだろうか。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ