57兆円あまり・法人申告所得がバブル期を越えて過去最高を記録
2007年10月30日 08:00
国税局は10月29日、2007年6月までの2006事務年度に税務申告をした全国の法人所得総額が前年度比13.3%増の57兆0828億円となり、過去最高を記録したことが明らかになった。これまでの最高額だったバブル期における1990事務年度の約53兆円を4兆円近く上回る額であり、「全体としては」企業の業績の回復が申告所得からも裏づけられたことになる(【発表リリース】)。
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該当年度に税務申告をした企業は278万7000法人で過去最高。黒字法人一社あたりの平均所得額は6254万円で前年度比10.5%増加とこちらも過去最高を記録。ただし黒字申告法人の割合は32.4%(バブル期は過半数超えもあり)と、業績の良い一部企業が全体の「好景気」を演出していることが分かる。
ただ、赤字法人の申告欠損金額も16兆4949億円と前年度比で27.4%・6兆2205億円減少。「生き残っている」赤字法人にもようやく財務的に回復の兆しが見えていることがうかがえる。
申告額全体の57兆円あまりという額は過去最高で、去年から続いて2年連続して50兆円を超えた記録は「3年連続50兆円超え」のバブル期に近づいている。企業レベルで見れば「一部法人に限定されながらも収入金額的に景気は回復に向かいつつある」ことが分かる。しかしその一方、【景気回復はサラリーマンからは遠く……給与は9年連続減少、格差も拡大方向に】にもあるように、同じく国税庁の調査によればサラリーマンの給与は9年連続して減少傾向にある。雇用形態が「正社員中心」から「正社員+派遣やアルバイト」にスライドしているため、平均的な給与が下がったとの考えもあるが、どちらにしても民間には景気回復の恩恵はもたらされていないことが分かる。
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