「ANY」とは「朝日新聞」の「A」、「日本経済新聞」の「N」、「読売新聞」の「Y」とそれぞれの頭文字を取って付けられたプロジェクト名。三社のニュースサイト上の情報をまとめ上げ、ポータルサイト化するという計画で、非常に簡単にまとめると先に【52紙から成る全国新聞ネット、ニュースポータルサイト「47NEWS(よんななニュース)」を12月24日から公開】などで伝えている「47News」の三新聞社版といったところ。

週刊ダイヤモンドの記事「新聞没落」では「9月25日にプロジェクトスタート」「ヤフーやグーグルなどのポータルサイトにネット読者が流れてしまうのは勘弁ならない」「ANYで上流の顧客を集めて収益源を確保すると共に、他のポータルサイトへの情報配信はやめる」などの概要が伝えられていたが、NHKではもう少し詳しい内容が語られている。

いわく、「新組織を設立」「2008年1月スタートをめどにする」「政治や経済など通常の記事のほか、社説や世論調査なども含まれる」「同じテーマでも3社それぞれの主張や立場の違いを利用者が比較できるようにする」など。「新聞没落」においては「意見が食い違いやすい読売と朝日で同じ事象への記事が並列した場合、読者が混乱する」という指摘があったが、今回のNHKの報によればそれを逆手に活かし「各社ごとの主張や立場の違いを比較できるようにする」らしい。事象ごとに三社別々の記事を並列表記し、読者に投票でもさせるのかもしれない。また、比較されると(特に表現上において)困る新聞社も出てくるような気がするが、それも時代の流れということなのだろう。

すでに【スクープも「ウェブ・ファースト」! 産経とマイクロソフトで「MSN産経ニュース」が10月スタート】でもお伝えしているように、「ANY」連合からは外れている産経新聞社によるSankei Webが、本日10月1日からリニューアルし[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]としてスタートしている。47Newsの立場はどうなるのか、「情報提供を止める」といわれているヤフーやグーグルはどう動くのかも合わせ、アメリカ同様日本の新聞社でも、インターネットへの情報配信について大きな動きがこれから起きそうな雰囲気が感じられるのは、当方だけではあるまい。